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紫輝
2026-03-14 11:14:01
2024文字
Public
リオヌヴィ
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番っていると秒でバレる件について
タイトル通りのリ殿とラウマ様の話です。ねーちん自然界の力とめちゃくちゃ親和性高そうなので視たら分かりそうだな+ヌ様に一定の敬意があったら私がときめくな をこう、頑張って出力しました。人外に警戒MAXのヌ様可愛いですよねふふ
前略。
「そうか。やはり。
…
そなた達、つがいか」
つがいと番なのがバレました。
番っていると秒でバレる件について
「
…
あ、すまない。つい口に出してしまった。その、そなたの弱みを握ってやろうと謀ったとかではなく、私は人より自然界に根源を持つ『気』に鋭敏なのだ。故に自然と勘付いてしまったというだけでそれ以上の他意はなく、私が勘付いたというこの事実がそなた達の不利益になるような行動はせぬと月光に誓う。そも繊細であろう話題だ。軽々に口にするべきではなかった。重ねて謝罪しよう。申し訳ない」
異国の一部族の長に
それ
・・
が知れた場合の影響と対応策を反射的に脳内に巡らせていると、はっとしたように目を見開いた蒼樹の聖女様はオロオロと狼狽え肩を落としてしまった。そうしつつも滔々と紡がれる誠実で真面目な言葉たちが相まってよく知るひとが重なって見える。こういうタイプは正直やりづらい。信頼に足る少年から「ヌヴィレットに似てる」なる前情報を齎されているのもよくなかった。『公爵』を被りづらいと言ったらない。
「
…
いや、まあ、他人の目もないしな。いたずらに吹聴したり、あんたの友人の店に売ったりしないでくれたらそれで構わないよ」
慧眼だな、と頬を掻けば、聖女様は「誓おう」と二度確約をくれてからゆるりと瞳を細めた。
「水の方はそなたを深く想っておるのだな」
「み
…
なんだって?」
これまでの流れとそれそのもので誰を指しているのか疑いようもない、けれど初めて耳にする表現に首を傾げる。少なくとも、彼は自身の種族について『出会ったばかり』に括られるような人間に話すようなひとではない。であれば目の前の彼女は、その『気への鋭敏さ』で彼のひとがこの世界を司る存在の一角であることに気づいたのだろう。
「フロストフィンイルカ達が挨拶に来ておっただろう。彼らは普段海岸にはやってこないのだ。自分たちの住む“水”を守護しているのが誰なのか、彼らには分かるのだろうな」
彼女の言葉にそういえば、と思い出したのは本格的にこの土地での探索に手を貸し始めた頃のことだった。沖合を悠然と泳ぐ大きな魚に似た姿のその動物達が三頭ほど、海岸を散歩していたヌヴィレットの元へやってきて、きゅいきゅいと何か話しかけ、頭を撫でられて帰っていった事があったのだ。そうか、アレ挨拶だったのか
――
時間差で得心を得たところで、彼女はリオセスリをまじまじと見つめ、その孔雀石の瞳を煌めかせて肩を震わせる。“それにしても”。
「夫婦仲のよいツノシカでもここまでのものは滅多に見ない」
「
…
あー、ラウマさん。何が
…
ついてる? のか聞いてもいいやつかい? 聞かない方がいいやつか?」
『お付き合い』においてヌヴィレットがリオセスリの不利益になるようなことを絶対にしないことは確信しているけれども、水龍であらせられる彼のひとの常識は時としてリオセスリのそれを軽々と飛び越えていくのだ。飛び越えた先の着地点が概ね『突然の可愛い』なのもタチが悪いと言わざるを得ない。一生惚れ直している。
聞きたいが聞きたくない、のオーラを感じ取ってくれたらしい聖女様は、言葉を探すかにふうむと唸って。
「マーキングのようなもの
…
が表現としては一番近いだろうか。この土地にはフェイがおるし、璃月には仙人が、モンドやスメール、もちろんフォンテーヌにも精霊やそれに類するもの達がいると聞く。そういったもの達に、そなたが水の方のつがいであると知らしめるための徴がついている」
見るものが見ればわかる、というやつだ。
つい、と孔雀石を細めて、聖女様は続ける。
「そなたは
…
あえてこの言葉を選ぶが、優秀な雄のようだからな。万が一を避けたいのだろう。目移りの隙すら与えぬように」
「
……
なるほど」
思わず顔を覆ってしまった。やっぱりあまりにも可愛いがすぎる。やっていることはとんでもないけれども。
「万が一なんて起きないんだがなぁ
…
」
上がってしまう口角は顔を覆っていた手のひらを移動させ隠したものの、どうしようもなく声が浮ついてしまう。自慢にもならないが片想い歴半生以上でやっと射止めたひとなのだ。そんな余地なんてどこにもないのに。
仮に精神に干渉されたとしても跳ね除けてみせる、それこそ元素龍レベルの存在からのそれだったら多少自信はないが
――
それくらいの気概でもって、リオセスリは『水の方』の隣席に掛けているのだ。
そんな己の様子にか彼のひとへ向けたものか、はたまた両方かは不明だが、聖女様が慈愛のにじむ笑みを浮かべる。
「それがつがいを持つ生き物の習性なのだ。水の方もそなたを信用していないわけではなく、そうせずにいられないのであろう」
「愛されてんなぁ
……
」
「うむ。愛されておるな」
良きことだ。月光が末永くそなた達を照らさんことを。
祝福をくれながら、聖女様はくすくすと少女のように声を立てて笑った。
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