三毛田
2026-03-13 21:11:28
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95 02. 鼓動が一つ高鳴って

95日目
君を好きだと自覚する

 不自然な動きをした心臓。
 星核に不具合でもあったのかと、パムに診てもらったけれど異常はなく。
 不安ならば、今日は部屋で大人しくしていろと言われた。ので、ベッドで大の字に。
「穹。パムが食事を弁当箱に詰めてくれた。冷蔵庫に入れておくからな」
「丹恒」
「ベッドに腰掛けても?」
「どうぞ」
 問いかけられたので、特に問題もないので是と返すと彼は弁当箱を冷蔵庫に入れた後ベッドに腰掛けて。
 体を起こして、彼の隣に座る。
「具合が悪いのか?」
「深刻でもないんだけど、あるタイミングで心臓が変な動きをしたからさ。星核に異常なり不具合なり起きたのかって心配になってさ。診てもらったけれど、なんともないって」
「それなら安心だ」
 あ、また。
 少々強張った表情だったけれど、俺の言葉に安心したように表情を和らげる丹恒。
 彼の表情が変わった瞬間、また心臓が変な動きをして。
「うーん?」
「どうした」
「寝たら治るかも。なあ、丹恒」
「俺にできることならば、何でも言ってくれ」
 そんな事言われたら、あんなことやこんなことをやらせたくなるけれど。でも、今一番してほしいのは。
「じゃあ。俺が眠るまで、手を繋いでいて欲しいな」
「構わない」
 ベッドから下りて椅子を持ってくると、布団の中に潜り込んでから差し出した手を優しく握ってくれる。
 少し冷たいというか、ひんやりしている手が心地よい。
 吸って、吐いて。
 ゆっくり繰り返している内に、眠くなってきた。
 そして気づけば夢の中。
……
 手には何も残っていない。ふらふらしないよう、体を横にしてから起きる。
「丹恒?」
 部屋はいつの間にか暗くなっており、自分の部屋なのに何か出るのじゃないかと怖くて。
「起きたか」
 まず常夜灯の柔らかな光。その後、少し暗めの明かり。
 ゆっくりと明るくなっていくことで、眩しくない。
「おはよう」
 ひんやりした手が、俺の頬を撫でる。
「ん。おはよう」
 心臓の鼓動が早い。
「うん」
 ああ、わかった。
 俺は、丹恒に恋をしているんだな。
「ふふ」
「どうした?」
「なんでもな~い!」
「胸は?」
 伸ばされた手を掴んで、引っ張って一緒に倒れる。
「穹?」
「丹恒、お腹空いた~」
「なら、俺を離してくれ」
「やーだ」
 抱きしめて、髪に頬ずり。
 好き。好きなんだ。
「丹恒、好き」
 自然と好きだという言葉が零れ落ち。
 身じろぎしていた腕の中の丹恒が、動きを止める。
……
「丹恒?」
「勘弁してくれ……
「なんで」
 さらに強く抱きしめると、逃げようとして。