傭兵は何を好んでかリッパーにプレイの相手を頼む。傭兵はサブミッシブだった。対してリッパーはドミナントだ。利害は一致する。後はリッパーが、相手のサブを殺してしまわないように気を付けるだけだ。
そんな関係が前提としてあるので、通り掛けに見掛けたフードの小男を手招く。素直に向かって来たから、己の両手を爪で引っ掻かない程度に存分に使って撫で回す。
しかし暫くすると素気無く振り払われる。
「雑。」
いつもこれである。
「おまえせっかくこっちよりデカい手なんだからさ、それを活かして、こう、包み込むように撫でるとかさ。」
文句を言いながら自ら振り払った手を自分の手で自分の頭に持ち上げて、自ら頭に押し付ける。小さな頭と小さな手で、こちらの、曰く大きな手をはさみこように。
いつもこれである。最初っから駄目出しして振り払うくせに、それでももう一度リッパーの手を取る。ドムにリッパーを選ぶのだ、このサブは。
分からない、リッパーには。
「……どうして文句を仰るのに、わざわざわたしをプレイの相手に選ぶのです?不満がおありなら、最初からおまえ好みのドムにプレイの相手を求めれば良い。」
リッパーは、不思議なサブを見下ろしながら、呆れたようにそう言うが、そのサブと言えば、きょとんとして、寧ろ不思議そうな顔を見上げて来る。
「おれは自分好みのプレイが出来るドムとしたいんじゃねえ。自分の好みの男とプレイをしたいだけだ。」
リッパーの呆れは、驚愕の唖然に変わった。
「だから不満はない。」
対して傭兵はそう断言すると、言葉通り満足そうにリッパーの手に懐いた。
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