Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
ちよど
2026-03-08 08:23:02
1954文字
Public
カルヨダ
Clear cache
カルナさんがヨダナさんから預けられたもの
カルヨダ。ギルさんとカルさん達がおしゃべりしているだけ。原典ネタ
雷霆神の槍が握られ、黄金の蔵へのゲートが開く。
それだけならば、マスターになったばかりの少年がやっと見慣れてきた光景だった。場所がカルデアの廊下で二人が向き合ってさえなければ。
「カルナさん、ギルガメッシュさん!!ストップー!!」
制止にふたりは視線だけをマスターに向けた。このカルデアは人理修復を初めたばかりだがサーヴァントの召喚にばかり力を入れて彼らとの絆を深めていない。強制力の少ない令呪では彼らを止められそうにないとマスターは助けを求めた。
「ダ・ヴィンチちゃん!」
応じて中空に美女の姿が映る。
「いったいどうしたんだい? ふたりとも。今にも戦いそうな雰囲気じゃないか」
軽やかな口調に顔をしかめたのはギルガメッシュだ。
「最初に槍を出したのはカルナが先だ。我は応じたに過ぎん」
「──あれを侮辱する者に容赦は出来ん」
「ハッ、子供と菓子を取り合っていた者がお前の友だとは冗談もほどほどにするがいい」
カルナが無言で槍を構える。ギルガメッシュの背後の輝きが増した。
そこにひょこりとロマニの姿が映る。
「ドゥリーヨダナならさっき巻き上げたお菓子を配っていたよ。『わし様の慈悲に感謝感激して平頭するがいい!!』とかなんとか」
ギルガメッシュの片眉が動く。
「
…
どうやらただの愚か者ではないらしいな」
「なんで?」
子供から奪った菓子を配り直す意味が分からないマスターが首を傾げると、ギルガメッシュは少年に顔を向けた。カルナが槍をしまう。
「富の再分配は支配者の義務だ。──おそらく不平等を調節したのだろうよ」
ギルガメッシュもゲートを閉じる。一触即発の雰囲気が収まって胸を撫で下ろすマスターの視界でロマニが手に持っていたお菓子を口に運んだ。
「それはどうかなー? 自分のお気に入りを優先していたように見えたけど」
「当たり前だ。寵愛にも順序がある」
「あれは与えるのが上手い。おまえにそれを与えたのもそうだろう」
カルナの視線を受けてロマニがもぐもぐと口を動かす。ドゥリーヨダナからもらったお菓子を食べているため口を開けない彼の代わりにダ・ヴィンチがカルナを見た。
「施しの英雄と言われる君がそう評価するのは、国を貰った経験からかい?」
マスターはまた首を傾げた。
英雄には国を治めていたものがごろごろいる。そのほとんどが自分が治めていた国に執着していないように少年には思えた。
そんなマスターを見てロマニはお菓子を飲み込んだ。口を開く。
「英雄たちを見ていると感覚が狂うだろうけど、国とはそこに住まう民達も含むんだよ。国を貰うということは何千万の命を預けられるということなんだ」
その言葉にカルナが首を振った。
「オレが預けられたのはそれだけではない。──あれの命だ」
地図を出してくれ、と言われてダ・ヴィンチちゃんが古代インドの地図を投影する。
「小国ばかりではないか」
ギルガメッシュの感想に構わず、カルナは地図の一点を指した。
「ここがあれの首都ハスティナープラだ。すぐ隣に南北パンチャーラ、その向こうにオレが貰ったアンガがある」
「ほう?内乱か?」
ギルガメッシュの言葉にロマニが目を細めた。万能の天才ダ・ヴィンチが解説する。
「君たちの武術指南が北パンチャーラを奪い取ったらしいね」
「そうだ。その為にあれのクル国と南パンチャーラの関係は悪化した。だからあれはオレにアンガを与えた」
カルナの説明にマスターは考え込む。意味が分からない。
そんなマスターにギルガメッシュが鼻を鳴らす。見かねたロマニが口を開いた。
「パンチャーラは首都ハスティナープラのすぐ傍にあるだろう? これは即座に攻め込めるということだよ。でもパンチャーラの背後でアンガが目を光らせているなら話は別だ」
「
……
えっと。ドゥリーヨダナさんが攻め込まれたらカルナさんが助けに来てくれる??」
マスターの答えにダ・ヴィンチが微笑む。
「正解だね」
「北パンチャーラの武術指南とやらは?」
ギルガメッシュの疑問にカルナは首を振った。
「アシュヴァッターマンはまだ幼く。ドローナ師はあまりあれに好意的ではなかった」
「当てにならないということ?」
「そうだ。──出会ったばかりのオレに命を預けなければならないほどに」
カルナの言葉にギルガメッシュが一度目を閉じ、また開いた。
「お前の友は愚物だが、見る目があることだけは認めてやろう」
「小心な男だ」
「加減してやれと?」
気安い口調で会話を初めたふたりに安心して、ダ・ヴィンチとロマニの画像が消える。ほっと息をついたマスターにどたどたという足音が近づいてきた。きっとお菓子を持ってきたのだろう。命を預けるほど寵愛する友に。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
Wavebox
はこちら
Bluesky
SNSはこちら
無断転載、無断使用はしないでください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内