ナスカ
2026-03-06 16:30:43
3738文字
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一年越しの第二幕〜ウィキッド/永遠の約束/〜感想

ウィキッド〜永遠の約束〜の感想文です。

皆さんグッドハーブニング! ナスカです!

今日(2026/03/06)は、ようやく日本国内で上映がスタートした『ウィキッド〜永遠の約束〜』を観て参りました!

前回……舞台版で言うところの『第一幕』から一年待たされました。映画で楽しみたいがために、特にどういった続きとなるのか……等は調べずにいました。

なんと言うか、端的に言うならば『想像以上』。どのようにして『オズの魔法使い』と繋げるのか、アレコレ考えておりました。私のそれらを軽く飛び越して、『こんなのアリかよ!』と讃えたくなるストーリー展開でした。

では、前置きはこのくらいにして感想いきましょう!

前作の終わりから『潮が12回満ちた』頃が今回の始まり。動物たちは言葉を奪われ、あろうことか『黄色いレンガ道』を敷くためにこき使われているのでした。クッ……奴隷労働の比喩ってことか……。そこへ、箒で翔んで来たるはエルファバです! 跨るだけじゃなく、箒の上に立って飛ぶ様は本当にカッコいい! わ、私もあれやりたい〜!!!

そんな彼女を脅威、悪、邪悪と捉えるオズの人々。マダム・モリブルは報道官として、エルファバを『悪い魔女』だと吹聴しているのです。
一方グリンダはエルファバと相反する『善き魔女』として人々に崇め奉られ、オズの希望として君臨。けれど魔法の使えないグリンダは、お飾り人形として存在しているようなものなんですよね……

ここは恐らく、所謂『アントラクト』。第二幕の最初に行われる『前回のあらすじ』ってやつです。第一幕で使われた楽曲のフレーズが散りばめられ、登場人物たちのこれまでに思いを馳せながら、これから訪れる運命に慄く……そんな時間でございます。

動物たちの自由を勝ち取るため、インチキおじさんこと『魔法使い』の正体を白日の下に晒そうとするエルファバ。かたやフィエロとの結婚を控えてウキウキしつつもエルファバを気にかけるグリンダ。そこに『カカシ』『ブリキの木こり』『ライオン』がどのような経緯で誕生したのか……ということが絡みつき、『カンザスから来た少女』、更には『魔法使い』の正体も……ひぇ〜語ることが山盛りだ!

どうしようかな……やっぱり『オズの魔法使い』との整合性について語っていこうかな。

ではまずカカシについて。知恵がほしい、脳みそが空っぽのカカシ。やはりというかその正体はフィエロでした。けど前作で『空っぽ』とは言い難い感じに成長したフィエロ。彼がどうしてカカシにならねばならなかったのか、それが気になっていました。
理由は単純。エルファバが『そうなれ』と魔法をかけていたからです。
グリンダと式を挙げるも、フィエロは最終的にエルファバを選びました。彼女を庇ったがために、エメラルドシティの衛兵たちに捕らえられ、拷問されてしまうのです。うぇええ、なんてひどい! エルファバはそんな彼を案じ『血よ流れるな、骨よ砕けるな』という魔法をかけたのです。こ、こういうことーーーっ!?!?!? なんかめちゃくちゃ泣けてしまいました。ウルウルしてました😭

お次は軽いはずなのに『重い』ブリキの木こり。心を欲していた彼は、ボックでした。彼は父の死をきっかけに総督に就任したネッサローズを支えていました。けれど彼の心は今もグリンダにあったのです。ただネッサに頼まれ、断れず側にいただけ。それを知ったネッサは「彼の心を奪ってしまいたい」と、実家に帰ってきた姉の本を勝手に詠唱して、文字通りボックから『心臓を奪』おうとするのです。おいおいおいおいエグいな!?
このままではボックは死んでしまう。エルファバはボックの身体を『ブリキ』に改造することで、命は取り留めることに成功しました。けれど既に優しいボックはそこにいなかった……冷たいブリキの体の彼は、『心無い』からこそ『心置き無く』振る舞えるのです。『カンザスから来た少女』と共に、自分をこんな姿にしたエルファバを倒せる。自分を選ばなかったグリンダを、冷たい目で睨むことができる……

では『臆病なライオン』は、前作のどこにいたでしょう。私、全くわかってませんでした。
『ソイツのせいで唯一の家だったところから追い出されたんだ』とエルファバを悪だと言い放つライオンさん。な、何言ってんだよお前……エルファバはそんなこと……。って、あぁーーーっ!!!! まさかお前、ディラモント先生が追い出された後に出てきた、あのちっちゃい毛玉!?!?? 助けられたんじゃなくて、追い出されたと思ってたの……?? そんな……行き違いにもほどがある……

善行だと思ってしたことが、必ずしも善として世の中に反映されるわけではない……。世の辛い理不尽を、エルファバはここで思い知るのでした。サルのチステリーに翼を生やした時もそうだったよね……いえあれはインチキ魔法使いが騙したんですけど!

ではボックを結果的に殺したネッサローズはどうなったでしょうか。一応、『オズの魔法使い(1937)』を観たことは観たのですが、私は察しが悪いですね。前作で総督がネッサに渡した『母の形見』である銀の靴。あれは何を隠そう、踵をトントンする『ドロシーの靴』ではありませんか。そして『悪い魔女』の『妹』は飛んできた家の下敷きになって死んでいます。美しいまでに悲劇的な『予定調和』を突きつけられました。
ブリキになって出ていったボックを探し、ネッサは竜巻が吹き荒れる中を必死で駆け抜けていました。勿論、車椅子で、です。ネッサはやはり家の下敷きになって、死んでしまいました。

こんなのねぇよ……という展開が続きますが、『ウィキッド』はあくまでも『オズの魔法使い』を別視点で描いた物語。受け入れるしかありません。

そうなると、我々とグリンダは『エルファバの死』を受け入れる道を選ぶしかない。二人の魔女の運命は如何に……

それが歌われるのが、決戦の場所『キアモ•コ城』を舞台とした『for good』。エルファバは「そろそろ潮時」と覚悟を決め、グリンダはエルファバの選択を、寂しいけれど尊重する。お互い、変化を与えて与えられながら築いた友情を大切な宝物として取っておくのです。それはまるで『誰もが知ってるあの人の、誰も知るはずのない秘密の話』……ってコラコラ! シアターゴーストはお帰りください!

エルファバはグリンダを城内のクローゼットに匿い、グリンダはそこから事の趨勢を見守りました。ドロシーによって水をぶっかけられ、溶けていくエルファバ。そこにかかるコーラスが『悪い魔女は、一人孤独に死んでいった』と歌います。いいえ、そんなことはありません。エルファバは、大切な友に見送られて、死んでいったのです。

悪い魔女が去ったと誰もが歓喜する中、グリンダはエルファバが溶けた場所に帽子と、もう一つの形見が落ちていることに気づきます(ここで喋るチステリー!!!)例の、緑色の瓶です。

これも気付けなかった……グリンダが事実を突きつけてから気が付いた……。緑色の酒を持っていたのは、インチキ『魔法使い』だった……!!!! な、なんだとーーーーっ!?!?!? 確かにあったんですよ、魔法使いが、この瓶で酒を飲んでるカットが!!!!
うわだぁあああ気づくべきだった!!!!!

グリンダは「アンタが来たせいでオズはめちゃくちゃになった」「オズから出てけ。お得意のでっちあげでさ!」等々を言い放ち、果たしてインチキおじさんはオズから出ていくのでした……。これもまた、『オズの魔法使い』との整合性を取るためのストーリーですね。

ではオズを裏から操っていたマダム・モリブルは? グリンダの命により、チステリーたちがどこかへ閉じ込めたとさ! イェイ!!! 一人残されたグリンダは、オズに住む全ての者のために『善き魔女』として生きることを選ぶのです。かつてエルファバが望んだ、動物と人間が対等な世界を実現するために……

これから張れグリンダ! そう思っていたら、な、なんとエルファバは生きているではありませんか! 溶けたエルファバは、グリンダが見ていた『影』に過ぎず……なんてこった!

彼女を助けに来たのは、エルファバを選んだカカシのフィエロ。二人でひっそりと、オズの『向こう』へと旅立ちます。『悪い魔女』はもう、オズの何処にもいなくなったのでした。

というハッピーエンド!!!! いやーーー素晴らしいファンタジーミュージカルでした!!!! 世界観が唯一無二、そしてメッセージ性も大きく、最高のシンガーにたくさんのダンサーさん。良い作品を楽しませてもらいました。

エンドクレジットで『ウィキッド初演のメンバーと、今での世界各地でこの作品を上演している劇団に心から感謝を』と述べられていたのも印象的でしたね。舞台作品発祥であることを忘れず、そちらに敬意を払っているのは素晴らしかったです。

そして!!! 来年夏に、ウィキッドが劇団四季に帰ってくる!!!!! 東京公演です!!!! 観に行けますように!!!!! 観に行けますように!!!!

以上感想になります!!!! では!!!!