カートはマックスが金を貯める理由を知っているし、マックスもカートの金の使い道を知っていた。だからマックスは二人の仕事の賃金を対等に扱って、平等に分けるし、カートは二人の仕事の賃金の振り込み先がマックス宛であることになんの不満もなかった。
「カートは俺の金が貯まって、アニマトロニクスの顔になれたら、一緒に喜んでくれるよね。」
マックスは自分に振り込まれた賃金を、カートに渡すことしか出来ない。その金をカートが妹のために使おうとも、一緒に心配することしか出来ない。それが分かっているから、カートもマックスの願いが叶えば良いと思っている。
「そりゃ勿論。……でも。」
「でも?」
カートはマックスの顔を見詰める。マックスがこんなの顔をとは呼べないと称するものを。それがカートには、確かにマックスの顔だった。カートにとっては、何物にも変え難い。マックスが変えたがっているそれ。
「……でも、お前がアニマトロニクスにつられて、騙されて、望み通りにならなかったその時は。」
カートもマックスも、それぞれ違う目標で賃金を受け取っている。
「ダッセェ、って一緒に笑ってやるからな。」
「ナニソレ、そんなんサイアクなんだけどー!」
そうならなくても、二人は今笑い合った。
きっと、マックスはもう人に騙されたりしないし、カートはマックスが騙されれば黙って笑うことなんかしない。
二人の仕事で得た賃金は、二人が納得の行く使い方でなければならない。
だから例えば今は、二人が笑って過ごすための、ゲームの新作でも買ってみようか。
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