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okanon
2026-03-05 21:25:11
2499文字
Public
モスファイ
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君は誰に会いたいの!?②
現パロ🍷☀️(🍷はまだ出ない)
DK(記憶なし)☀️が、ある日☀️ぬいと出会って人探しをするお話、その2
感想くれると本当に嬉しいです⬇️
https://wavebox.me/wave/dn60zcut6sdoaiit/
(二)
「名前が無いと呼びづらいね
……
。僕に似てるし、"ノン"とかどうかな?」
ファイノンがそう名付けた人形"ノン"は、あれから彼と共に休日に出かけたり、こっそり高校について行ったりした。初めて学校に行った時は、ファイノンにも内緒でカバンに忍び込み、学校のトイレで怒られたりもした。
あの日はファイノンもノンと夜遅くまで作戦会議を行っており、少し寝坊したのだ。
慌てて掴んだカバンを学校に着いてから開けると、いるはずのないノンと目が合った。思わず大きな声を上げてしまったファイノンはその日一日、すれ違う人達に何度も体調を心配されてしまったとか。
そんなこんなでファイノンとノンの人探しは、晴れの日も風の日も雨の日
……
は家で遊んでいたが、なんの収穫も得られないまま続いていった。
そろそろ別の街で探した方がいいかもしれない。そう思い始めたファイノンだったが、なんのヒントもないままフラフラと手当り次第に探すのは、現実的に考えても無理だった。
目の前には母が作った温かい料理が並び、隣では両親が仲睦まじく話しながら食事を進めている。BGM代わりに流れているテレビでは、明日の天気予報が始まっていた。
「ファイノンったら、そのぬいぐるみが相当気に入ったのね。最近ずっと連れ歩いてるじゃない?」
次の話題に移ったのか、アウダタがファイノンの隣に置かれたノンの方に目をやる。
「ここら辺の店じゃ見かけないよな。どこで買ったんだ?」
「んー
……
ゲームセンター
……
」
父のヒエロニュモスが問いかけるが、ファイノンは人探しのことで頭がいっぱいで、返事も適当なものだ。
「やれやれ
……
そうだ、今度の休みに久しぶりに釣りにでも行くか!」
「うーん
……
」
『それでは、現在のオクヘイマの様子です
……
』
ファイノンがこれからどうしようかと、夕食を食べながら考えていると、隣から「ぬ!」と鳴き声が聞こえ
——
「「きゃあ/うわぁ!?」」
両親の声に顔を上げると、ノンがパタパタと羽を動かしながらテレビに向かって「ぬ!ぬ!」と鳴き、何かを訴えていた。慌てて駆け寄ったファイノンがノンを抱き上げると、短い手を動かし、テレビの画面を指す。
『今朝から降り続いていた雨は止んでおり、明日はオクヘイマでも太陽の日が差すでしょう。一方、夜はまだ冷え込む予想ですので
……
』
アナウンサーの声とともに、ビルが立ち並ぶ都会のオクヘイマの様子が流れる。ファイノンが住むエリュシオンとは違い、建物からは光が溢れ、この時間でも多くの人々が街を行き交っている。
「
……
オクヘイマに行きたいの?」
「ぬ!」
「ふ、ファイノン!そのぬいぐるみ、今しゃべっ
……
!」
「
……
分かった!」
「何がだ!?」
途方に暮れたヒエロニュモスを置いて、ファイノンは「用事思い出した!」と言って部屋へ駆け戻って行った。
テレビは天気予報が終わり、次のバラエティ番組のOPが流れ始めていた。
「
……
最近のクレーンゲームの景品は、動くのか
……
?」
「あなた
……
釣りはまた今度にしましょう?」
部屋に戻ったファイノンは、早速オクヘイマへの行き方をスマホで調べ始めた。
「家から駅まではバスに乗って、駅から電車に乗って
……
オクヘイマまでこんなに乗り換えするのか
……
!」
高校へは自転車、移動は親の車が基本だったファイノンにとって、電車自体乗り慣れないものだ。家の近くまで来るバスの本数は少なく、オクヘイマに行ったとしても人を探せる時間は限られているだろう。それにノンを連れていくから、オクヘイマまで一人で行くしかない。
ファイノンが開いた画面をじっと見つめ、長時間の移動になることが分かったのだろう。ノンが心配そうにファイノンを見上げた。
「はは、心配してくれてるのかい?まあ、不安は少しあるけど
……
でもそこに君の会いたい人がいるかもしれないんだろう?僕なら大丈夫。それに
……
」
興奮を抑えるように、小さく息を吐く。ノンを見つめるファイノンの瞳は、キラキラと好奇心に溢れていた。
「僕、エリュシオンから出たことがないんだ。オクヘイマってどんな所なんだろう
……
テレビではよく見るんだけどね。そうだ!知ってるかい、都会の電車って、ホームに数分で次の電車が来るらしくて
……
」
そう話し出した彼の口が止まることはなく、しばらく人伝いに聞いた都会の噂を話しては、本当なのだろうかと心を浮つかせていた。
好奇心のままに楽しそう話すファイノンを、ノンはどこか眩しそうに見ていた。
それから数日、ファイノンは少しずつオクヘイマへ向かうための準備を進めていた。幼馴染のキュレネにアドバイスを貰いながら、必要なものやノンを入れるための鞄を用意していたのだ。
『その子を連れて行くなら、こういうのはどうかしら?表面が透明になっていて、中の子が外を見れるようになっているの、便利でしょ♪それに
……
これで連れて歩けば、すごくかわいいと思わない?』
そう言ってキュレネが紹介してくれ、ネット通販で買った
——
いわゆる「ぬいバッグ」にノンを押し込む。
頭まで入るには入るが、羽は折りたたまなければ入らないようだった。折りたたんだ羽が邪魔をして、窮屈そうにも見えてしまう。
「うーん
……
なんだか狭そうだね?せめて羽が無ければ
……
」
ファイノンがそう言うと、ノンは何かに気付いたのかカバンから飛び出し
——
おもむろに羽を脱いだ。
「
……
え」
「ぬ?」
「そ、それ、脱げるの
……
!?」
ノンが自慢げに頷き、もう一度鞄に入る。今度はサイズピッタリで、綺麗に鞄に収まっていた。
「
……
は、はは。もう何が何だか分からないな
……
」
ファイノンの乾いた笑いに、ノンは気にした様子もなく、鞄の中で寛いでいた。
二人がオクヘイマへ向かう日は、もうすぐそこまで迫ってきている。
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