由崎
2026-03-05 20:55:10
612文字
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家族

英ベス
暗いです

良いのです、イングランド。
私は許します。
父が母を処刑したことも、姉が私をロンドン塔へ幽閉したことも。
家族という縁は、私にはもう残っていませんでした。

そして、ごめんなさい、イングランド。
私を許さないでください。
あなたの兄たちを支配するということを、ウェールズ、スコットランド、アイルランドを従わせるということを。
あなたを大国へ押し上げるために、その背に兄弟との確執を背負わせることを。

エリザベス。
いいんだよ。
俺は許す。
あなたの政権がウェールズとアイルランドを支配下に置いたことも、スコットランドとの執拗な争いも。

小さい頃から兄たちには疎まれていたんだ。
同じ母から生まれた兄たちとは、殺し合いのような日々しか無かった。
俺にとって兄弟というものは、最も縁の遠いものだったんだ、陛下。

あなたが家族に壊されたように、俺も兄弟に拒まれて育った。
俺は、あなたと同じ場所に立っている。

そして、俺を許さないでください。
あなたの父王が母君を断ち、あなたを幽閉した異母姉、そして、十五年しか生きられなかった異母弟。
血を分けた者たちが、あなたの世界を崩した。

イングランドという名のもとに、俺はあなたの背に重荷を置き続けた。
兄たちとの確執を、あなたの手に背負わせた。
あなたが家族に壊されたように、俺もまた、あなたを傷つけてきた。

イングランドである俺を、どうか許さないでください、陛下。