三毛田
2026-03-04 23:03:29
1059文字
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86 03. わからない事だらけ

86日目
この世はわからない事だらけだ

 丹恒と話すだけで嬉しくなり、胸がポカポカする。
 簡単な事柄から、難しい事柄まで。内容は千差万別。
 だけど、どのような内容でも等しく温かな気持ちになるのだ。
「う〜ん……丹恒、わからないよ〜」
「三月。音を上げる前に、もう少し考えろ。穹、お前が躓いている問題はこれを読み返せ」
 俺を放ってなののほうへ行こうとするので、彼の腰に抱きつく。
「なんだ」
「今は一応、俺の面倒を見てるはずでしょ」
「お前なら、俺がいなくても出来ると思ったんだが」
「やだ。丹恒が隣で教えてくれないとやだ」
 ぐりぐりと脇腹に額を押し付けると、なおざりに頭を撫でられて。
「三月、すまない。こちらに来てもらえるか」
「しょうがないなぁ」
 よいしょ。と言いながら、なのは俺とは反対側の丹恒の隣に腰を下ろす。
「今日の穹、甘えん坊だね」
「そういう日もあるのだろう」
 また撫でてくれるけど、やっぱりなおざりだ。
「とういうわけで、丹恒」
「わかった。拗ねたりされる方が面倒だからな」
「ウチはそんなに子供じゃないですよ~だ!」
 俺の隣で二人が会話のようなものを交わしているのを聞きながら、先程教えてもらった箇所へと目を通し。
「ん~……わかった!」
 しばらく読んでいたら、急に理解できて。
 答えをかき込むのに夢中になっていたため、俺は丹恒が優しい視線を向けていることに気づいていなかった。
「う~ん……終わり!」
「今日の進行分は、きちんと終えたな。パムからおやつをもらってこよう。頭を使ったのだから、糖分補給が必要だ」
 大きく伸びをしたかと思えば、すぐにだらんと机に伏せるなの。途中から丹恒から離れていた俺も、彼女を真似してみる。
「今日はとろしゅわパンケーキと、ベリージャム。それから、ホイップクリームかアイスを選べと言われた」
「アイス!」
「ウチも!」
「今は混んで来てくれるそうだから、待っていろ」
 俺となのが元気に答えると、ちょっと表情を和らげて。また部屋を後にし。
 戻ってきた彼の手には、大皿が二枚。
「ありがとう、丹恒。見た目はいつものふわふわだよね?」
「うん。丹恒、ありがとう。お前も座って食べろよ」
「俺は別のものを食べるつもりだから、二人は先に食べていろ」
「じゃあ、遠慮なく。いただきます! んっ。これは、フォークじゃなくてスプーンだね」
「いただきます! 確かに……
 二人同時に手を合わせてから、付属のスプーンでパンケーキを食べる。
 こういうおやつだって、俺にはわからない事だらけだ。