ぽふむん
2026-02-28 22:00:00
1680文字
Public ワンドロ
 

おひさまきゃんでぃ

童しの深夜の物書き60分一本勝負
「握力」ほんの少し「打算」
ちま鬼使役if
しのぶちゃんの「握力」が弱くて蜂蜜の瓶が開きません。
アイデア元ネタは先週の@FbiyjfJuVA39243さんの小説と 手️⭕️治御大のふしぎなメ️⭕️モ。





窓ガラスから差し込む陽の光で、キラキラと琥珀色の蜜が輝く。
これは何の変哲もない蜂蜜だ。
でも、特別な力を持つ蜂蜜。

これは、しのぶの養い子を育てるためのもの。
あの子はこれしか受け付けないのだから。
これしか……というのは語弊がある。
もうひとつ食べられるのは、人の血肉。
特に女を好む。

でも、今は珠世の作ってくれた薬のおかげで少量の血だけで生きられるようになった。
そんな体に作り替えることができたのは五体。
鬼殺隊はその五体を使役し、外敵と戦うこととなった。

その中でも一体。
この鬼は特別な身体に変わった。
少量の血と、蜂蜜。
これだけで生きられるようになった。

これは、あの鬼のための蜂蜜だ。
ググッ

蓋を開けようと力を込めた。
が、瓶の口に着いた糖分が固まったのか、それとも締め方がきつかったのか。

固くて開かない。
湯を沸かして蓋を温め開けることにした。
鍋に水を入れよう。

その時だった。
小さな、指の付け根の関節にえくぼの出来た福福しい手が瓶を取った。
ググッと力を込めるといとも簡単に蓋ははずれた。

「あはは、しのぶちゃん握力が弱いんだね」
幼児のあどけない声が笑う。
黒い法衣を着ている。
ジャラジャラと重そうな、念珠だろうか。宝珠だろうか。頚飾りを下げた幼児がいた。
しのぶの使役鬼だ。
この鬼は蜂蜜を摂取出来るようになって以来、陽の光をほんの少しの時間なら克服した。
しのぶが困っているのを見て出てきたのだ。

「こら。机に登りません!それと陽の光はあなたには危険です!」
しのぶは、その幼児を日陰に隠すと怒ったような顔をした。
しのぶは「めっ」と眉を釣り上げるが、幼児は全然気にしていない。

きゅるんっ

可愛らしく目を瞬かせ

「だってぇ……しのぶちゃん困ってたし、早く蜂蜜が欲しかったんだもん。お湯が湧くのなんか待ってられないよ」
駄目かなぁ。そう言って親指をしゃぶり出すから、しのぶはそれを抜き去る。

「指しゃぶりはだめですよ。ごめんねぇ、蜂蜜欲しかったねぇ」

そういうと蜂蜜の瓶に匙を入れ、掬いとる。

「あ〜ん」
幼児が食べさせてくれと、ツバメのヒナのように口を開けた。

「うっ」
この蜂蜜を食べさせると、この幼児の体がどうなるかを知っている。
だから一瞬戸惑うが、その可愛らしさに絆され、つい一口幼児に与えてしまった。
幼児の体が光り輝く。
みるみる体が伸び始め……

「いやーん、しのぶちゃんのえっちぃ」
幼児だったものは、一体の二十歳ほどの青年に変わった。
先程まで少し大きいとは言え、幼児の背丈に合わせ仕立ててあった法衣を着ていた。
その体が急成長したのだから当然のこと。
服は少し破れ。裾はつんつるてん。
褌を締めたおしりが半分チラ見えする。
そのおしりを左右に揺らしながら

「うっふ~ん♡今宵もお好きにどうぞ♡」

二十歳程の青年はウインクしながらしなを作った。

「童磨ぁ!大人をおちょくるんじゃない。早く着替えなさい」
しのぶは目を覆いながら怒鳴った。
目を覆っているが、人差し指と中指が少し開いていた。

「しのぶちゃん、怒っちゃヤダぁ。いじめゆ?」
ぽん

小気味よい破裂音とともに、童磨は瞬時に先程の幼児に戻った。
そうだ、さっき与えたのは小匙だからだ。
あの青年の姿で一晩持たせようとするには大匙一杯の蜂蜜が必要。

小首を傾げ、甘えたように、からかうようにしのぶを見つめるちび童磨。
服はすっかり緩んでいる。

「おしりひっぱたきますよ!」
しのぶは怒鳴った。

「いや~ん♡それ、いやぁ」

ちび童磨は笑いながら、蜂蜜の瓶を取りに跳躍しようとして……

裾を踏んでコケた。

「い……たい…………うわぁあああん、しのぶちゃんがいじめたぁああ。痛いよぉおお」
ちび童磨はわざとらしく、大きな声で泣いた。

「いじめてなんかいないでしょ。ほら、泣かないの。痛いの痛いの飛んでけー」
しのぶは抱きしめてやると、ちび童磨の頭を撫でた。
ちび童磨は、えへへと笑った。