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望月 鏡翠
2026-02-28 01:55:41
935文字
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日課
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#2016 選択
#毎日最低800文字のSSを書く/祝福の塔
何かを選んだらいいのはわかってる。
きっとなんでもいい。特に人生に悩み事のない人間なんだから、何を選んだって幸せになれるはずだ。折角もらったチャンスだし、使わないと損!
何より、祝福を選んで生き返ってねって天使にも言われてる。それなのに、確固たる意思も持っていない癖に、その方針に反するのっておかしいじゃん。反抗期でもないのに、イキってるみたいで。
決まらないなら適当に、一番上の街で降りちゃえばいい。
でもさ、珍しく自分で決めたことだったんだ。
衝動的だったかもしれないし、何も考えてなかったかもしれないし、ただの逃避だったのかもしれない。
でもそれは何かを決めるのが苦手で、難しく考えるのが苦手で、自分の人生を自分で決めるのが苦手なこの頭で、主体的に決めたことだったんだ。
やっぱり、ショックだったんだよ。
死ねてなかった瞬間に、駄目だったのかってなった。
常識的に考えてそれは当たり前だ。生き返った方がいいし、生きていた方がいいよな。
死んだ方がいいなんてルールが成り立つんなら、世の中って割とおしまいになってるし。生物の基本。死んでいるより、生きていた方がいい。
だからなんとなくでこれからも生きていく?
具体的なことは何も頭になく、でも生まれ変わったら何かがいい方に変わっていると信じて、過去の決断を否定するために、主のところまで行って祝福をもらう。
それができるんだろうか。もう、部屋から出ることすら億劫になっている人間に、自分の進路を決められるんだろうか。
ずっと問われ続けている。何が欲しいのか、どうなりたいのか、どんな人間だったのか。
何が欲しかったんだろう。何があったら幸せになれたんだろう。何になりたかったんだろう。
何かが欲しかったわけじゃない。幸せになりたかったわけじゃない。ただ、終わってくれればよかったんだ。
主人公って柄じゃないんだ。素敵なものを得て、転生して、生き返ってもきっと持て余す。
何者にもなりたくない。
ただ、このまま誰の記憶にも残らずに、消えたいんだよ。
ここでさよならを言おう。
また明日って言おう。
そうして、明日になったら、きっと名もなきモブのことは、忘れているよ。
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