イヌノカニ
2026-02-25 23:53:58
1833文字
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【創作BL】老人と人形の話

設定を書いていたのですが、消しました。冒頭部分のアイディアのみ公開しています。

いつかこれはアナログでトーン使わずに線画のみで漫画を描きたい。




冒頭だけ書いてみた。
この話は、レプリカのキスに薄ら出てくる創人の呪いと繋げることが出来そうだから、その要素を少し仄めかしてみた。



むかし、あなたが生きている今よりも、もっと昔のお話です。とある豊かな森に住む、一人の人形職人がいました。

彼は、たくさんの子供達を喜ばせることが生きがいだったので、人形を作っては街へ行き、時には面白い人形劇を観せ、時には新しい友人として人形をプレゼントし、たくさんの子供を笑顔にさせたのです。

そうして何年もの月日が過ごしました。
すっかり年老いた老人となってしまった彼は、足が弱ってしまい、自分の住む森を出て、街に行くことが叶わなくなってしまいました。

今日も机に向い人形を作りますが、この人形達がもう子供達を笑顔にさせることはありません。
静かな森の小さな家には、おじいさんが人形を作る音しか聞こえません。寂しさで、おじいさんの目から涙が流れました。

すると、不思議なことが起こったのです。
おじいさんの涙は、美しい透き通った緑色に変わったのです。今度はその美しさに感動して、涙をポロポロと流します。涙はやがて、一つの大きな、それは大きな塊となったのです。

おじいさんが驚いていると、家中全てを照らすくらいの輝きを纏った女神様が現れたのです。
女神様はおじいさんに言いました。
「これを使い、人形を作りなさい。そうすれば、あなたを一番に愛する、美しい瞳を持った人形を差し上げましょう」

それだけ伝えると、女神様は光と共に消えていきました。
夢でも見たのかと頬っぺたをつねりましたが、しっかりとした痛みがあり、何よりも机の上には、あの美しい透き通った緑色の宝石のような塊があるではないですか!

おじいさんは、女神様に言われた通りに人形を作りました。

一つは、完璧に美しい人形を。
もう一つは、出来損ないの人形を。

え?両方とも前髪の流れる向きは違うけれど、大きな美しい緑色の瞳に小さな唇、すっと伸びた鼻をして、全く同じ顔をしているじゃないかって?

背中を見てごらんなさい。
そう、左向きに前髪を流している彼の方です。

おじいさんは間違えて、最後の飾りにつける背中に付ける大きなリボンを逆さまに付けてしまったのです。
これでは、出来損ないです。

おじいさんは、慌ててもう一つ人形を作りました。
今度はちゃんとリボンの向きを間違えません。

完璧に美しい人形を作った彼は、女神様に祈ります。
すると、人形は光を纏いなんと魂が宿ったのです。

「初めまして。僕はあなたを、世界で一番愛しています」

人形はそう言うと、隣にいる、あの出来損ないの人形を見ました。

「彼は……
「それは、失敗した人形じゃ、これじゃリボンが逆さまでいかん」

おじいさんは、そう答えますが、人形はじっと、その人形を見つめています。

「とても美しい瞳をしているね」
「おまえさんと、同じ瞳じゃ」
「へぇ、そうなの」

まだ人形はその人形をじっと、見つめています。

「ねぇ、彼もおしゃべりしたら、きっと面白いと思う。ねぇ、おじいさん、彼も話せるようにして!僕ね、この子も、世界で一番おじいさんのことが好きだと思うよ」

おじいさんは気が乗る気ではありませんでした。だって、これは失敗作なのです。

「ねぇ、おじいさん、お願いってば。僕ね、きっと三人で暮らしたら、毎日ニコニコの笑顔で、楽しいと思うの」

そう言われて、おじいさんは昔のことを思い出しました。
街に行っていた頃の、子供達を笑顔にしていた頃の記憶です。
例え失敗作でも、話せるようになれば、目の前にいる彼を笑わせることが出来るかもしれない。

そう思い、失敗作の人形を前に女神様へ祈りました。
すると、この人形も光を纏い、完璧な人形と同じように魂が宿ったのです。

「初めまして、僕はあなたを世界で一番、愛して……うわっ」

横から完璧な人形に抱きつかれてしまったので、最後まで言い切ることができませんでした。そんなところまで、なんだか出来損ないです。

「こうやって魂が宿ったんじゃ、失敗作、いや、出来損ないじゃな」

おじいさんは完璧な人形にはペルフェと
出来損ないの人形にはパスティッチ
と名付けました。

こうして、三人は豊かな森の小さな家で、仲良く暮らすことになったのです。

今夜話すのは、この三人の、愛おしくて切ない、そんなお話です。