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ぶんどき
2026-02-24 13:10:09
1143文字
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TRPG
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恥は道連れ
颪凩。襲い受け凩の話。
その無駄のない鮮やかな太刀筋は、ターゲットの命を易々と頂戴した。刃に付着した血液を拭い、鞘に納める。
「お疲れ、兄さん」
ひと息ついたところで、颪が後ろからひょっこりと顔を出す。
「っ、はぁ。終わりました。あとは片付けて帰りましょうか」
淡々と死体処理に必要な作業を終え何事もなかったかのように帰宅する。それが凩の日常であった。
それにしても今日のターゲットは少し手こずった。相手も相当な手練れだったのだ。戦闘慣れしていない一般人とは違う。人を殺すことに躊躇いのない目をしていた。ひりつく空気、的確に狙われる生命線。どくどくと未だ高鳴る心臓は自身が生きている証だった。
なんだかんだ真っ当な理由を付けようとしても、自分の野蛮な本性は誤魔化せない。──血は争えないのだと思う。命のやり取りをした後のこのような高揚感は久々だった。燻る熱が治まらないまま家に着いてしまった。
「
……
颪、」
なんでもないように彼の名前を呼ぶ。
「どうしたの、兄さ──」
玄関に入るなり鍵を閉め、彼をドアに押し付ける。はっと目を見開く彼に構わずそのままくちびるを重ねた。隙間から舌をねじ込み、彼の舌を絡め取って吸う。戯れなんて生ぬるい応酬ではない。それは熱くて息苦しくって。
「っは
……
、」
一方的な口づけを終え顔を離すと、困惑と興奮が入り混じったような彼と目が合った。
「兄さん
……
」
「っ、すみません、我慢できなくて。もう少し、」
「大丈夫だよ、僕は逃げないんだから」
彼の手が腰に回る。そのままするりと撫でられれば安心からか身体の力が抜けた。
「っ、ん
…
、」
今度は彼から身を引き寄せ口づけられる。彼の手が服の中に差し込まれる。外から帰ってきたばかりでまだひんやりとした手は触れ合うことで熱を帯びていく。
高揚感と快感に頭が回らなくなってきて、ぼうっとした顔で颪を見つめれば、ごくりと彼が唾を飲む音が聞こえた。
「
……
ベッド行こ、」
逸るようにコートを脱ぐ。廊下に点々と衣服を脱ぎ捨てていく。
──人間は命の危機に瀕すると生存本能が活性化し性欲が増すのだとかなんだとか。
そんな言い訳を頭の中で考えては無駄だと捨て置く。颪が止めてくれれば止まれるのに。まるでそんな展開を待ち望んでいたかのように受け入れてくれるから。他責思考はみっともないとわかっているのに、そう思わずにはいられなかった。
自分の奥底に眠るそんなはしたない欲を颪に見せるは怖かった。自分を慕ってくれている彼に幻滅されるのではないかと、いつも怯えている。それなのに、巧みに引き出されてしまう。こんな恥を晒す自分を見て嬉しそうに目を細めるから、彼のことがたまにわからなくなる。また今日も、甘えてしまうのだ。
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