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elnozostore
2026-02-22 19:40:08
2023文字
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【高緑】修正版SS
以前書いたものを更に加筆修正。訳あって高2夏設定
先日の練習試合でバスケ部は休みである。
高尾和成は趣味であるトレーディングカードゲームのために、緑間真太郎と共にカードショップに向かっていた。
歩くだけで日光は容赦なく二人を照りつけ、じりじりと肌を焦がしていく。汗をタオルで拭い、目的地まであと少し。
高尾の欲しいカードはランダム封入だが、本日かに座1位、ラッキーアイテム補正で高レアリティを引き当てることができるのではないか、緑間に相談した。
緑間の明日のラッキーアイテムは都合よく「美少女フィギュア」である。
トレーディングカードゲームを買いに行くついでに入手できるだろう。
これも運命と呼ぶのか、はたまた普段から人事を尽くした結果なのか。
ちなみに今日の緑間のラッキーアイテムはパンケーキ。高尾はボールペン。
当然のように高尾の奢りなのだよ、と言われるが喜んで了承した。むしろ、引き当てる確率がラッキーアイテム補正、パンケーキで上がるならば
……
安いのである。
高尾が狙っているのは、箱買いしても全種類揃わないタイプのカードである。
「
……
で、今集めてるカードがこれで
……
真ちゃんもどう?」
カードの入ったファイル片手に歩く高尾。
「ラッキーアイテムがカードの時、お前から借りるのだよ」
「絶対言うと思った!」
段々と景色は変わり、都内の駅を降りればそこかしこにホビー専門店が立ち並ぶ。
ショーケース内のフィギュアやプラモデルを横目で見ながら通りを歩くこと数分。
「思ったより人多いね、真ちゃん」
人ごみを掻き分けて進む二人。
「そうだな。見ろ、高尾。カードゲームの大会の都合らしいのだよ」
テーピングで保護された指が示す先には、見慣れたカードショップの文字。
そこに貼られたポスターには「店内限定大会」と書かれている。商品は1万円分、店内で使える商品券。
「真ちゃん、カードゲームに興味ない?」
「言うと思ったのだよ、高尾。昨日の将棋に付き合って貰ったから代わりに出てやってもいいのだよ。今日のかに座は1位」
それにしても「出てやってもいい」とは随分上から目線だ。今日もエース様のわがままは可愛い、悟られたら困るから顔には出さないが。
「まだパンケーキ食べてないのに大丈夫なのか?」
「結果は後からついてくる、俺を信じろ」
無言で高尾に手を出す緑間。カードを渡せ、と理解した高尾は鞄から新しくデッキケースを取り出した。
「ほら、これで倒して来いよ」
高尾は緑間にカードの束を託した。
数十分後。
「優勝は緑間真太郎さん」
カードショップの店員が差し出す商品券を受け取る緑間。
「
……
赤司が相手だと負けていたのだよ」
苦々しく呟いた。
赤司征十郎。京都にある、洛山高校バスケ部のキャプテン。2年生にして部員をまとめる立場にある。
彼は心拍数や筋収縮を把握して試合相手を翻弄するプレイスタイルのため、カードゲームにおける手札破壊にも応用可能だと、高尾は推察する。
「確かに赤司に勝つのは難しいよね、真ちゃん」
「ほら、お前にやる」
緑間は先程店員から受け取った商品券を高尾に渡した。
「いいの、貰っちゃって」
思わず高尾は目を丸くする。
「構わん、お前の組んだカードで出たからな」
「ありがとう真ちゃん!」
ふふ、と得意げに笑う彼。
「あ、美少女フィギュア買わないと。真ちゃん、これとかどう?」
高尾が選んだのは手のひらサイズの、デフォルメされた美少女のフィギュアだった。
「美少女の上に持ち運びやすいサイズで、良いと思うのだよ、高尾、なにか忘れていないか?」
「大丈夫!ちゃんと覚えてるから。今日のラッキーアイテムはパンケーキ。店、予約してあるから行こうぜ」
高尾は緑間に手を差し出す。遠慮がちに握られるそれを、ぎゅっと握り返した。
二人はラッキーアイテムでもあり、おやつにもちょうど良い腹ごしらえの為に出かけるのであった。
電車を乗り換えると景色はガラリと変わり、ホビーショップが連なる建物から一転して洒落た飲食店が立ち並ぶエリアに出た。
「お前がメイドカフェを選ばないのが意外なのだよ」
「えー、だって真ちゃんああいうの反応に困りそうだし。困ってる真ちゃんの顔も見たいけど」
黒い目を細めていたずらっ子のように笑う高尾。
そうこうしてる間にパンケーキが運ばれて来る。高尾は苺とチョコレート、緑間は抹茶と小豆がトッピングされている。
甘い香りとほのかに湯気を立てるそれを頬張る男子高校生二人。
翌日、何食わぬ顔で美少女フィギュアを持って登校する緑間。
幸い、彼がラッキーアイテムとして謎の私物を教室内に持ち込むのは風物詩であり、今更クラスメイトが緑間のラッキーアイテムについて言及することはなかった。
今日も彼らはラッキーアイテムを目指して出かけるのである。高尾の引くチャリヤカーに、わがままなエース様を乗せて。
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