三毛田
2026-02-21 14:30:22
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75 29. プラスチックの宝箱

75日目
俺の色と君の色

 宝箱って言われたらすぐに思い浮かべるのは、ゲームとかでよくある木で出来たもの。もしくは、謎の金属っぽいやつ。
「いいな、これ」
 けれど、俺が手にしているのは、そういうよくある宝箱を模したプラスチックのケースで。
 今はお菓子が入っているけれど、それらは個包装だから食べたら小物入れにちょうど良さそうだ。
「ウチはこれ!」
 と、なのが手にしているのはカメラの形のお菓子缶。
「いいじゃん」
 ちょっとレトロな感じが、ヨウおじちゃんも好きそうだなって。
「二人とも、決まったか」
「うん! ウチはこれ。姫子にはこっち!」
「丹恒。ヨウオジちゃんにはどれにするか決めたのか?」
 やってきた丹恒に問いかけると、彼の手にはカゴ。そして、その中にとてもセンスの良いお土産。
 それを見たら、何だか俺が選んだものがちっぽけに見えてきた。
「それは、お前の好きそうな入れ物だな」
「だ、だろ!?」
「ああ。それの色違いはどうだ?」
 と、指差す方を見たら白と緑のものがあった。やっぱりこっちにしようかと、手元の赤と金のを見比べていれば。
「あっちも欲しいのなら、俺が買おう」
「でも」
「お前へのプレゼントだ」
「グゥ」
 優しい眼差しで言われたら、唸ることしかできず。
「じゃあ、ウチも二人へのプレゼントを選ぼうっと」
 丹恒の持つカゴへ、手にしていたお菓子缶を入れたなのはふわふわと店内を歩き回る。
「お、俺も選んでくる」
「ゆっくり選んでいいからな」
 思わず『ママーッ』って叫びそうになったのを、一生懸命飲み込んだ。
 こんなところでバブったら、二人に他人のふりをされておいていかれてしまうことは確実。
 列車に戻ったら、思う存分丹恒にバブろう。そうしよう。
 とりあえず、二人に食べてもらいたいものから選んでみる。
「これ、ネットで見たな」
 一応自分用にも購入し、先に食べてみて美味しかったら渡す方向にするか。
 他にも、ネットでバズっていたものを選んではカゴへ。
「俺は姫子にコーヒー豆」
「うんうん。いいと思う! さっき試飲やってたよ?」
「俺も飲んでみたが、美味いと思う。だが」
 言葉を濁す丹恒。
 言わんとすることがわかり、なのと二人で複雑な表情をしてしまった。
「でも、本人が美味いと感じているならそれでいいんじゃないか?」
「そうそう。ウチらが口出ししたところで、あれはどうにもならないし」
 と、みんなで肩をすくめて。
 買い物を終えて、カフェに入ってしばし休憩。
「丹恒。帰ったら、甘えていいか?」
「ああ」