マニーズって言うウミガメのスープ…ではないんだけど笑うせぇるすまんみたいな因習村的ハンバーガーショップゲームがあって…(カオス)本当はどの人間を食材にするかで包丁を机上で滑らせながら回転させて、刃が向いた方で決める、ってシーンが滅茶苦茶かっこよかったり、バーガーショップの店員の真相とかがシリーズの味を出してたりするんだけど以下略。←
いわゆる無人島に漂着してしまったらしい。色々あって体を海に投げ出すはめになってしまった末路だった。定期的に火を起こし、狼煙を上げて様子を見るしかない。これで助からなければ、それまでだ。
逆にここで人生を終わらせるのも、それはそれで素晴らしいのかもしれない。自然溢れるオープンテラス。景色一面の海はオーシャンビュー。そもそも人間がいないから戦争どころか争い事の一つもない。これ以上自分が人と争う事もない。海の幸と椰子の木のココナッツを食べながら、悠々自適な生活。
しかし、夜になったら事情は一変した。自分が起こした火以外に明かりがある。しかも明らかに人口灯だ。
明確な恐怖を覚え、その光源を辿ると、なんとファーストフード店があった。
街中なら違和感なく見えるそれが、自分の立たされている状況と場所にそぐわない。はずだ。当然自分にとって馴染みがあるのはファーストフード店の方だ。無人島に遭難なんてしょっちゅうあってたまるか。だから違和感がない方に思考は傾く。ハンバーガーが食べたい、という単純な欲求に。
当然だ。限られた原始的な食事しかなく、文明的な料理はない。人間の争いがなくて良いのはそうだが、人間の発明した味の肥えた料理は喉から手が出るほど恋しい。店の外観を見ているだけで唾液が滲む。
ふらふらとファーストフードのバーガーショップに引き寄せられる。誘蛾灯のようだと自虐するが、それすら都会の産物で、更に自虐で自嘲する。
店の扉を開ける重さも、間違いなく馴染みのあるものだった。店内のジャンクな匂いにも充分に覚えがある。
「いらっしゃいませ。」
指定の派手な色の制服とハットを被った店員がすかさずそう言った。背が高く細身の男は、カウンターの向こうから気怠げに客を誘っている。ジャンキーな匂いがこの男からもするようで、思わず唾液を啜る。早足でカウンターに寄る。
「こちらメニューです。ご注文はお決まりでしょうか。」
さっと細い指を滑らせて案内する男は、接客だけは紳士的だ。適当に注文しようとするが。
「値段が見当たらないが?」
「代金は必要ありません。ただし、ハンバーグの材料はお客様負担となります。」
「は?」
男が何処から取り出したのか、メニューの上に、ナイフが滑らす。
「材料は店内からお選び頂けますよ。」
店員が店内を手で示しながら案内する。思わず振り向く。店内には他の客が、各々席で過ごしている。まさか。もう一度カウンターに向き直る。
「お決まりですか?」
「巫山戯るな!」
シー。口の前で指を立てられる。たったそれだけで宥めようとしてくる。ナイフが未だカウンターの上を擦って回っている音が聞こえる。
「それはこちらの台詞です。上司を呼びたくはないのですが?」
店員は呆れたように、それでも事務的に告げてくる。ナイフはまだ回っている。
「わたしは八ヶ月連続最優秀従業員の称号を得ているんです。ですからお客様のことも、丁寧にご対応させて頂きますから。」
そう言いはするものの、店内を顎で示すやり方は、その丁寧さはただ従業員として発揮しているだけのビジネスライク、そして付け焼き刃であることを明らかにしていた。そして従業員の左手の鋭い爪がナイフの刃の手前にとんと置かれ、回転を強制的に止める。
「決まりましたか?」
ナイフの持ち手は、こちらを向いている。
「以前ね、ピクルス抜きの注文だったのに、抜かずに出してしまったことがあって、クレームが来たんですよ。」
店員は淡々と語る。
「わたしはお食事を提供することしかできません。お客様はピクルスをご自分で抜くか、あるいはわたしの事を刺しますか?お選びください。」
従業員はその立場を一向に覆すことなく、営業スマイルすら浮かべて見せた。笑顔だけなら、材料がなくとも本当の無料提供ということらしい。ただより怖いものはない。
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