三毛田
2026-02-18 21:15:09
1084文字
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72 26. 紙飛行機が目指す先

72日目
君の元へ

 ほぼ満点のテスト用紙を降り、すっと指先から放てば。
「こら」
「あっ」
 すぐに止められてしまう。
「丹恒」
「人がいない教室だったからよかったものの、他の人がいたらぶつかっていたかもしれないだろう」
「大丈夫大丈夫。、制御がいいから」
「絶対はない」
 少々怒ったような表情で、俺に紙飛行機を渡して。
「はーい。ごめんなさい」
 こうなった丹恒は、頑固だ。だから、素直に彼の意見を受け入れて謝る。
「よし。それで?」
「暇だっただけ。それ以外に理由はないから」
「そうか。テストは?」
「満点とまではいかないけど、それなりに」
 嘘。
 一問間違えただけ。
 本当はもっと手を抜きたかったけど、やけに俺を敵視してくるというか、ライバル視してくる奴をぎゃふんと言わせたくて頑張った。
 それに、丹恒に褒めて欲しかったから。
「お前のことだから、下心ありきなのだろう?」
「バレたか」
 まあ、丹恒にはバレバレだったようだ。流石。
「そりゃあ、まあ」
「お前は、また」
「でも、誤解しないで欲しい。俺は、丹恒帆の目て欲しいから、頑張っただけ」
「言ってくれれば、いつでも褒めるが」
 そうじゃないんだよなぁ。
「そうじゃないんだよなぁ」
 思っていたことが、そのまま口から出てしまった。
「それならば、どういうことなんだ?」
「じゃあ、手を貸して」
「手を? 構わないが」
 不思議そうな表情を浮かべるので、許可をもらってから彼の手を取る。
 そして、その手を自分の頭へと乗せ。
「なるほど」
 そうすると、俺の意図が分かったようで優しく撫でてくれた。
 流石俺の丹恒先生。
「今回も頑張ったな。次も頑張ろう」
「次も頑張るかどうかは、今後次第です」
「ふっ」
 俺の答え方が面白方ようで、小さく笑う。
 本当そういうところも可愛いんだよ。
「頭なでなでだけじゃ足りないから、キスも。お願い」
 手を離して、そっと唇に触れれば。
「誰が来るかわからないから、駄目だ。せめて家に帰ってからにしろ」
「はーい」
 家に帰ってからなら、いいんだ。へえ。
「なんだ、そのだらしない表情は」
「別に~? じゃあ、帰ろう」
「そうだな」
 紙飛行機にしていた答案用紙を広げて、綺麗に折り畳んで鞄にしまってから丹恒の手を取る。
 通いなれた帰り道。手を繋いで、ゆっくりと。
 他のテストの結果の話、最近食べて美味しかったものの話。丹恒のことがどれだけ好きなのかを伝えれば。
「お前は、本当……
 呆れたような表情を浮かべるけれど、ちょっと嬉しそう。
 本当そういうとこだよ。