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おもち
2026-02-18 12:57:46
1748文字
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幸せのメロウラヴ
過去個人サイトからの掲載
別体パラレル/でろ甘め
4月中旬の春真っ盛りな時期に、窓を全開にしTシャツで団扇を片手に床に転がるなんて一体誰が想像しただろうか。
「う~
…
」
床に仰向けになりながらボクは呻き声を上げつつ、自らTシャツを捲りお腹を出してぱたぱたと団扇で仰ぐ。
窓を全開にしてるのに一向に気持ちの良い風は入って来なくて、代わりに堂々と入ってくるのはギラギラと容赦無しに照りつける太陽の光。
暑い、暑すぎる。
4月中旬だというのに、夏を思わせる異常な暑さだった。
思わずあれ、蝉鳴いてないの?ってぼやいたり、もしも遠い外国からたった今こっちに帰ってきた人がいたら、日本って今夏だっけ?と思っちゃうんじゃないかな。
それくらい今日の気温は高いんだ。
大好きなM&Wをやろうとしても、全くその気になれない。
無残にも床に散らばったカードは、ボクが仰ぐ風に乗って、ひらひらと部屋のそこら中へ舞ってしまっている。
ごめんねボクの大事なカード達
…
と呟いたりしてはいるものの一向に片付ける気にもなれず、この有様だ。
一体全体何で春なのにこんなに暑いのさ。まだ夏はお呼びじゃないよ、早く帰ってよもう
…
なんて思いながら、ボクは額に滲む汗を手の甲で拭う。
大体、ボクがこんなに暑いのも気温だけのせいじゃない。
これがなかったら、多分
…
いや、間違いなくもう少し涼しかったんじゃないかなって心底思うもの。
頭を横に動かし上の方を見上げる様に見ると、丁度ボクがこんなに暑い暑いと呟く羽目になった元凶と目が合う。
口を尖らせて睨むと、ふふっと笑い声が聞こえた。
「暑いと思ってるから暑いんだぜ?相棒」
「キミがくっついてくるからでしょー
…
あーもう暑いから離してよお」
ボクの首に絡み付いている腕を引っぺがそうとぐいぐい引っ張るけど、全く動じずむしろさっきよりも力を込めてひっついてくる。
因みに体制はボクが普通に仰向けに転がっている隣にもう一人のボクがいて、ボクの頭を抱き締めるように腕を回してべったりくっついてる。
もうこれ絶対に嫌がらせだよね、こんなに暑い暑いって呻いているのにどいてくれないなんて。自分だって暑いくせに、一体何がしたいのさ
…
。
もう怒鳴る気も無くそのままほっといているが、やはりくっついてるから暑さは倍増、このままアイスみたいに溶けちゃいそうだ。
お互い汗でべたべたしているのに嫌だ、と主張する様にボクはもう一人のボクの腕を弱々しくぺちぺち叩いた。
「も、あっついってば
…
溶けちゃうよ」
「ならこのまま2人で溶けようぜ。一つになれる」
「何言ってんのさキミ
…
」
軽くセクハラ発言じゃないの、と腕を抓ってやると全然痛くなさそうなのに痛いぜという声が上がる。
それにちょっとムッと来て本気で抓ってやろうかと思ったら、突然目の前の視界が暗くなりお腹の方に重みを感じ、唇に柔らかいものがそっと触れた。
それはもう一人のボクの唇だという事に気付くのはさほど時間もかからず、抵抗する気にもなれなかったボクはそれを受け入れるかの様にゆっくり目を閉じた。
「ふあ
…
、」
「ん
……
」
優しく、啄む様にキスされればもう一人のボクの熱が、唇からダイレクトに伝わってくる。
柔らかくて、凄く熱くて、情熱的で。
互いに夢中になって貪っていれば、夏の様な気温で高まった熱はいつの間にか別の熱に侵食され、更に昂っていく。
「このまま、お前と一つになりたい
…
」
そう耳元で囁かれれば、暑いのに何だかゾクゾクして思わずきゅっと眼を瞑ってしまう。
どういう意味だか知らないけど、きっとそういう意味なんだと思う。
本当にキミって直球に言うよね、恥ずかしがる素振りもしないで。
言われたこっちの方が恥ずかしくてたまらなくなっちゃうんだ。
「
…
っもう、あっついからやだよ
…
んっ」
「したいぜ、相棒」
「や、ちょ、どこ触ってんのさっ」
服の中に手を入れてくるもう一人のボクに抵抗したものの、既にお腹を剥き出しにして馬乗りにされているボクはいささか部が悪く、簡単にぺろりと剥かれてしまう。
あぁ、もう、君には本当にかなわない。
「相棒
…
好きだぜ」
溶けちゃいそうなくらいの、暑い春の日。
ボクは君に、とろとろに溶かされていく。
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