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三毛田
2026-02-17 21:55:50
1070文字
Public
1000字6
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71 25. 鈍色月の欠片
71日目
それが気にならないくらい君が愛しい
雲がかかり、鈍色になっている月。
それでも風情があるのかもしれないと、窓の外を眺めながら杯を傾ける。
「何飲んでるんだ?」
「未成年は飲めないものだ」
「お前だって、見た目は俺と変わらないだろ」
腰に手を当て、不満そうに頬を膨らませる穹。
「嘘だ。甘酒だ」
「俺も飲みたい!」
だが、甘酒と聞き、目を輝かせて俺の隣に座る。
こうなるだろうと、用意しておいたマグカップへ入れてやれば嬉しそうに両手で持って。
「美味し~! 丹恒が作ったのか?」
「パムが忙しそうだったからな。これにショウガを少々溶かしても、美味いし体が温まる」
「ん」
「温め直してくるから、ここで待っていろ」
「はーい」
いい返事をした彼の頭をそっと撫で、キッチンへ。
鼻歌を歌いながら、焦がさないように鍋をかき混ぜて。途中ですりおろしたショウガを入れてさらに混ぜる。
「穹、出来たぞ」
「ありがとう。ん。ちょっとピリッとしてるけど、美味い」
「三月に見つからない内に飲み干せ」
「あげないの?」
「普通の甘酒は渡したが、生姜入りはお前だけに特別だ」
そう告げれば、嬉しかったのだろう。
もごもごと唇を動かし、マグカップで顔を隠そうとして。
そんな姿とても愛らしい。
「お前といると、胸の内が温かくなる。きっと、いい傾向なのだろう」
「うぐぅ」
自分用に温く作った甘酒を飲みながら告げれば、穹は変な声を出す。
「大丈夫か? 火傷はしていないか?」
「だ、大丈夫。いや、あのさ」
「なんだ?」
「丹恒、お前って
……
自分で思っているより、俺のこと好きじゃん」
「そうか? そう、かもしれないな」
「ひぃんっ」
まさか本人からそう言われるとは思わず、ちょっとだけ嬉しくて肯定したら今度は情けない悲鳴のようなもの。
「お前は、見ていて飽きないな」
隣へ移動し、そっと頭を抱き寄せると胸に顔を埋めてくる。
「今日は甘えん坊だな」
彼を愛しいと思うのは、恋心から派生したものなのか、それとも別のものが起源となっているのかはわからない。でも、悪いものではないと信じたい。
「ベッドでも、甘やかしてくれるか?」
「お前が望むのであれば、いくらでも」
「丹恒、俺に甘すぎ」
「甘やかしたいんだ」
「わかってるけどさぁ」
何が不満なのかわからないが、ぐりぐりと顔を動かす。
「お前に甘いのは、駄目なのだろうか」
「なのにももうちょっとだけ、甘くしてあげてよ」
「あれは甘やかすと、取り返しがつかないことをやるから駄目だ」
「俺も同じじゃん」
「いいや、違う」
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