藤野 こまち
2026-02-17 13:10:50
702文字
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星を見上げるこども

スザクの独白/ゼロレク後/ギアスで死人が出ると何故かゼロレク前後の話を書きたくなる

 きらきらと光る眩い星々の息吹。幾重にも折り重なって川のように見える夜闇の軌跡――それを人は天の川と呼んだ。手を伸ばしてその一滴を掴み取ってやろうかと考えたが、遥か遠くに存在する星をこの腕に抱くことはできない。
 そんな美しい宙(そら)の在り様に今は亡き友を思い出すのだ。
 思えば彼は苛烈な人生を歩んできたのだと思う。自身も他者から見たなら、彼と変わらないのだろう。異なるところと言えば、僕は孤独の中でもあれほど気高い輝きを放ったことなどなかった。
 成さねばならぬ、と思ったら有言実行する。彼の取った戦術は犠牲が付き物であったけれど、誰もがそんな彼に惹かれた。自身で叶えられないことを孤高の王に求めたのだ。結局、皆は王が与えてくれたものを手放してしまった。
 受け入れられなかった代償として君は世界の贄となった。「平和」という言葉はどの時代も誰かの犠牲に成り立つものだ。混沌の渦に招いたのならホストが後片付けをするものだろうと、彼はカラカラと笑った。君らしくもない柔らかな笑みだった。今でも考える。この選択は正しかったのだろうかと。
 目を瞑れば思い出す。手に残る肉を穿つ感触を。触れた場所から伝わる体温を。重くなった身体を。
 僕の手が君を壊していく。殺していく。消していく。本当は、ほんとうは――
(許せないことなんてないよ。それはきっと、スザク君が許さないだけ。許したくないの)
 共に歩みたかった。殺しなくなかった。世界から君を守りたかった。でも僕はどこか許したくなくて、君の言葉を受け入れるしかなかった。

「そのギアス、確かに受け取った」

 こんな事でしか、僕は救えないでいる。