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遊音。(ゆね)
2026-02-16 21:51:12
1131文字
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約束シリーズ。
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AとB。
最初のストーリーはこちらにあります。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27292513
続きになりますが、これだけで読めます。
「カバキくん、AとBだったらどっちがいい?」
ロッカールームで着替えていると、近寄ってきたトガシがにっこり笑ってそう言った。カバキは着替え途中だった腕に通したTシャツに頭を通し、開いていた自分のロッカーをパタンと閉じた。この人こういうよく分からないところあるよな、とカバキは思いながらトガシに向き合う。もうロッカールームには誰もいない。2人きりの時に聞いてくるということはそういう意味合いのことだろう、とカバキは予想する。
カバキとトガシは付き合っている
――
付き合っている、とカバキは思ってる。どちらかというとカバキの片思いである。でも休日にはご飯に行ったり、たわいないLINEのやりとりをしている。トガシが何を考えているかは未だに分からない。昔からよく分からないと思っているので想像したり予想したりしても無駄だと思っているので、カバキは単刀直入に聞くことにしている。
「それって俺にとって良いことです?」
「たぶん?」
トガシが僅かに首をかしげる。カバキはそんな仕草を可愛いと思ってしまった。本当に惚れてると盲目だと思う。
「
……
何かもらえるんです?」
「んー、どうかな。あ、でも明日には関係あるかも」
明日は元々会おうと予定してた日だ。めんどくさいことをされてるのに、嫌じゃなくてカバキはわざとらしく息をついた。好きな人にされると大体なんでも嬉しくなるんだなと気づいて、本当に自分がアホらしくて嫌になる。
「じゃあ
……
Bで」
埒が明かないのでとりあえず選択してみせるとトガシは頷いた。
「よし、じゃあ明日は水族館でデートしよ」
デート、という言葉に心臓が跳ねたが、顔に出ないようにカバキは頑張った。付き合ってるとトガシも思ってくれてたらしい。カバキは嬉しさに顔がにやけそうになるのをこらえて、普通の声を出すように努めた。
「
……
Aだったらなんだったんです?」
「動物園」
「
……
ガキみたいですね
……
」
「嫌?」
「嫌じゃないです」
「じゃ、決まりね」
久しぶりにイルカショーでも見ちゃう?とトガシがスマホをいじりはじめる。
「
……
なんで、動物園か水族館のどっちがいいか聞かなかったんです?」
「だって、ガキみたいって言われそうだったから。そしたらやめて食事だけにしちゃうよ、俺」
実際言われたしね、とトガシに苦笑されるとカバキは少し恥ずかしくなった。
「
……
俺、水族館、中学生以来かもです」
「そうなの?いいね。じゃ、また明日」
予約しとくね、とスマホを振りながらトガシはロッカールームから出ていった。
カバキは緊張が溶けたようにロッカーに体をもたれかける。
「ガキは、おれやん
……
」
気を使ってくれたのだと気づいて、カバキは少し恥ずかしくなった。
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