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イマナミ
2026-02-15 08:58:15
6945文字
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👹 暖かな陽射しの中で
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暖かな陽射しの中で
第一話 乙女心の複雑
👹の二次創作小説です
ぎゆしの 全年齢 柱生存if
無惨討伐後、無限城内で亡くなった人間は全員何事もなく生き返った。
無限城という空間が非常に特殊なものだったのだろうと珠世さんが分析してる。
無限城崩壊後、無惨がすぐ討伐されたことにより、生き返ったのではないかと珠世さんは言ってたけど、原因は定かではない。
珠世さんは、人間に戻った。
無惨に投与した人間に戻る薬が自分にも効いたおかげで生きてると言っていた。
愈史郎さんも人間に戻り2人で仲良く暮らしている。
地上戦で怪我をした柱たちは、私と珠世さんで必死にその場で治療し、全員なんとか一命をとりとげた。
伊黒さんと甘露寺さんだけ入院しているけど、今日で2人とも退院だ。慌ただしかった日が落ち着こうとしてる。
「んー、いい天気ね。桜が綺麗」
まだまだ痣のことがあるから忙しいといえば忙しい。
たった一夜の痣だからか、それとも悲鳴嶼さんが非常に強靭な人だからかなんだかわからないけど悲鳴嶼さんの身体に今のところ問題はない。
正直、なんだかわからないというのは医師としては一番困る。
まあ、悲鳴嶼さんがご存命で嬉しい限りなんですけどね。
片足がない生活でも気にもとめず元気そう。
悲鳴嶼さんは、珠世さんが作った薬を飲んではいる。ただ珠世さんの薬はまだ試作品だし、薬の効果かまだわからないので、私達は痣者を徹底的に研究しましょうということになっている。
また愈史郎さんと珠世さんとの研究の日々がくるなんて思いもよらなかった。
本当に私の終わりがくると思ってた。
目が覚めた時、炭治郎くんの鬼化がとまり、地上の鬼はもういなくなっていた。
身体は無限城に入る前の状態で、私は必死に治療をした。
重症な甘露寺さん、伊黒さん、悲鳴嶼さんを中心に私は珠世さんと治療にあたった。残ってる隠や隊士たちに献血を頼み込み輸血をした。
他の重症な隊士達もほぼ助けた。
とにかく生かすことに必死に動いてた。
落ち着く暇もなく、蝶屋敷に運び込む。
無一郎くんや、玄弥くんが手際よく動いてくれた。
私なんかが生き残って、無惨と戦った人が死ぬなんてあったら駄目だと思った。
冨岡さんが運ばれていくのをみた。
「冨岡さん、聞こえますか?意識があると聞いたので」
「胡蝶
…
」
「はい」
「胡蝶に会えるなら死ぬのも悪くない
…
」
「私も生きてます。失血も多そうですが、多分、頭を打たれたようなのであとでみます」
「
…
」
バタバタと蝶屋敷が忙しくなった。
冨岡さんも不死川さんも一時は危なかった。
それでも二人の生命力にかけ、私は痣の研究もはじめた。
次々と治って退院していく隊士達に胸をおろす。
その頃自分の身体は珠世さんに見てもらい、無限城に入る前に戻されてることをしった。
「冨岡さん、だいぶよくなられましたね」
あの日私はベットに座ってる冨岡さんに声をかけた。
「ああ」
「あ。そういえば頭みますって言ってて忘れてましたね」
「それは大丈夫だから
…
」
「ちょっとみせてくださいね。目立った外傷はないですね。よかったです」
「胡蝶は少しは話しを聞け
…
」
「頭痛はありません?」
「ない。それより、胡蝶は大丈夫なのか?」
「はい、診てもらいましたけど、どこも怪我もないです。無限城が崩壊して、その日のうちに無惨が倒れたことであの空間でおこったことが戻ったみたいです。あの空間で命を落とした人は元に戻ったようです」
「そんなことがあったのか」
「冨岡さんのおかげですね」
「よかった
…
。もう死ぬまで会えないかと」
「え
…
泣いてるんですか」
「胡蝶が亡くなるなんて
…
俺、思ったことなかったから、知らせを聞いた時は驚いた」
私はハンカチをだして、冨岡さんの涙をふいた。
「もう、困りまった人ですね。私も生きてて少し驚いたんですけど、そんな暇なく忙しくて、この通り元気いっぱいです。冨岡さんも早くよくなりますよ。
なんせ私がついてるので」
「迷惑をかける」
「片腕だと身体の釣り合いがとりにくいので歩くのも最初は大変なはずなんですけど、あなた戦われたそうで、流石ですね。何か不便なことあったら言ってください。迷惑なんかじゃないので、遠慮なさらずに」
「ありがとう」
冨岡さんが微笑んでる
…
。なんか慣れない
…
。
(やはり頭打ったのかしら?その割にはちゃんと話してますね)
「顔色は悪くないですね、よかったです」
「ああ、胡蝶も少し顔色がよくなってよかった」
「え」
「ずっと顔色が悪い時があるのを気にしてた」
ドキン
心臓が大きく音をたてた。
「気づいてらしたのですか」
「?」
「なんでもないです。失礼しますね」
その日から少し冨岡さんに会うのが怖くなった。
あのじっと見つめる瞳から逃げ出したくなる。
その後の冨岡さんの治療はほぼ珠世さんと愈史郎さんに任せた。退院する日も何かと事情をつけて会いに行かなかった。
バタバタと足音が聞こえる。
「しのぶ姉さん、もう柱合会議に行く時間。
さっき蛇柱様と恋柱様が自分たちは移動に時間がかかるから先に言っておきますとでていかれましたよ」
カナヲが心配そうにしてる。
「あれ?カナヲ、鏑丸くん。なんで?」
カナヲの首に蛇の鏑丸くんがいる。
「目のかわりに支えてもらえって蛇柱様が」
「ご自分も見えにくいのに
…
」
「姉さんと私の治療のおかげで少し見えるからうけとってほしいとおっしゃってたの。自分には恋柱様がいるから大丈夫って」
「そう」
あとでお礼しなきゃ。
「もうこんな時間。行ってきますね」
久しぶりの隊服。これが最後ね。
私は子供みたい。
冨岡さんに会いたくない。
避けてるってバレてますよね。
これ。
情けないなぁ。
暖かい風がふく。
「よォ胡蝶」
優しく響くその声に振り返る。
「不死川さん、お久しぶりです」
「そぉかァ?俺、なんだか最近まで入院してた気がするんだよな。おまえ1人か?伊黒達も退院したんだな」
「お二人とも今日退院です。私、明日から珠世さん達との研究が始まるのでその準備があるので、お二人には先に行ってもらいました」
「
…
あの2人、一緒に暮らすらしいな」
「伊黒さんは、困るとか甘露寺にはもっと相応しい男がいるかもとか色々言ってますけど、愛の力ですね」
「おまえはどうなんだよ」
「そんな人いませんよ、嫌ですね」
「胡蝶、冨岡のこと避けすぎじゃねェ?
蝶屋敷で気まずい空気作ってたのおまえだからな。
伊黒なんて、胡蝶がいなきゃ困るが、胡蝶のせいでここにいたくないって愚痴ってたぜ
…
」
「すみません
…
」
私ったら周りに言われる態度なのね
…
「別にいいんだけどよォ。別になんかされたとかじゃないなら」
「やめてくださいよ、違います
…
あの、目で見られると、ちょっと逃げ出したくなるんです」
「ああ、冨岡、目つきクソ悪いから腹立つよなァ。少し笑うようになったけど、それはそれでなんか慣れないよな」
「そんなことより、不死川さんは玄弥くんと仲良くしてます?」
「おかげでお兄ちゃんさせてもらってるわ。もう後悔したくねぇし」
「ふふ、よかったですね」
「ああ、ありがとよ、胡蝶」
*
不死川さんと2人で産屋敷邸につくと他のメンバーはもう屋敷についていた。
(え
…
)
みんな何か聞きたそうなのに何も言わない。
甘露寺さんなんて
(なんで不死川さんと2人なの?私達と行くの断ったのはまさか不死川さんと一緒に行きたかったから?ドキドキしちゃう)と顔に書いてる。
違うから。
同様にちょっと驚いてる伊黒さん。
悲鳴嶼さんも何故かちょっと驚いてる。
「南無
…
勘違いだったか
…
」と呟いた。
何を?
冨岡さん、相変わらず何考えてるかさっぱりわからない顔してる。
(聞いてよ。誰か。なんで不死川さんと来たか。
私からそこで会ってご一緒したんです。っていうにはちょっとタイミング逃したのよ。
宇髄さんなんで柱やめたの?デリカシーなくおまえらできてんの?みたいに聞いてくれたらそこでお会いしましたって言えるのに)
「不死川さん、胡蝶さんと来たんですか?」
ありがとう時透くん。
「んなわきゃねェだろォ。そこで会っただけ」
「でも、ここで待ってたら、楽しそうな2人の声が聞こえて、爽やかアベックがくるのかと思った」
いじるタイプなの?時透くん?ちょっと展開がよめませんね。
「そういうのはよせよ。時透。胡蝶に失礼だぜ」
「いや、ただ、僕は胡蝶さんは冨岡さんと恋仲だって聞いてたけど、不死川さんと来たから二股なのかどうなのか知りたくなっただけ」
待って、時透くん、何それ冨岡さんと私が恋仲?
どこをどうみたらそうなるのよ。
「あの
…
どなたがそのようなことを?」
「隠たち」
誰よ。変な噂ながしてるの?前田さんかしら。
「いやですね。ありえませんよ」
(何か言ってよ、冨岡さん)
思わずしのぶは冨岡をみる。
「もうじきお館様がくる、下世話な話はよせ」
ピシャリと冨岡さんの一言。
ぶれない。流石冨岡さん。
ほっと胸をなでおろした。
*
最後の柱合会議では、お館様からの温かい言葉と共に鬼殺隊の解散が告げられた。
私達はほっと肩を撫で下ろした。
(本当に終わりましたね)
もうじき私達はお別れなのね。
長く冷たい鬼との戦いを思い出す。
長い廊下を歩く。
なぜだろう胸が痛い。
「冨岡さん髪短いの見慣れないわね。でも、そっちのほうがいいわ」
甘露寺さんが冨岡さんと話してる。
「俺も慣れない」
冨岡がにこりと話す。
「きゃあああ、冨岡さん、笑顔なの、すっごくいいと思う。素敵」
その近くで睨んでる伊黒さん。
「
…
」
素直って羨ましい。
私は話しかけたいのに、避けちゃうし。
笑顔を向けられたら、こっち向かないでくださいって言ってしまう。
「皆さん、定期健診と痣の薬をもらいに二ヶ月に1度は蝶屋敷にはちゃんときてくださいね。あとで日程は鴉でお知らせします」
言い忘れるとこだったわ。
「はい、忘れたら胡蝶さんから僕の屋敷に来てくれますか?」
「何があっても忘れないで来てくださいね、時透くん」
「すげぇ、めんどくせェ
…
」
ボソっと不死川さんが伊黒さんに話しかける。
「全くだ、俺はもう問題ない、甘露寺の美しさのおかげだろうか、蝶屋敷など用はない」
本当にどいつもこいつもですよ。
「死にたい人の集まりで何よりです」
「伊黒さんは私が連れてくから怒らないで、しのぶちゃん」
「死ぬ気でこちとら研究してるんです。来なかったら覚えておいてくださいね、不死川さん、伊黒さん」
「しのぶちゃん、なんか引き続き大変そうで申し訳ないわ」
蜜璃さんがその場を和まそうと必死になってる。
「大丈夫です。研究は好きなことなので、でも、死人を生き返らすことはできないので、絶対に来てくださいね」
優しく私がみんなに告げる。
「よぉ、おまえら騒がしいな。しかし、やっと終わったな」
宇髄さんがやってきた。
「遅いですよ、宇髄さん」
「なんだよ、胡蝶、この色男に会いたくなったのか」
「違います」
「即答かよ」
「宇髄、貴様も会議にでればよかったんだ」
ネチネチと伊黒さんが言う。
「俺、なんもしてねぇし、柱じゃねーし」
「
…
」
私達はうすうす気づいてる。
あの爆発。1番辛い役をしてくれた。
「お館様に挨拶してくるわ、今度みんなで俺ん家集まろうぜ。いい酒買っておくからよ」
「あの派手、兄貴ヅラしやがって」
「僕、未成年だからいいお肉が食べたい。なるべく高いお肉がいいな」
「おまえらと飲んで何が楽しい?俺は甘露寺さえいてくれたらいい」
「いいか、おまえらな聞こえてるからな!!」
好き勝手言えるのは仲のいい証拠よね。
「あ、冨岡、胡蝶を送ってやれよ、曲がりなりにも女だし、1人にすんなよ、じゃあな」
「曲がってないですし、1人で帰れますよ!」
本当、宇髄さんって余計なこといいがちなんだから。
「南無
…
胡蝶
…
冨岡に送ってもらいなさい」
「なんで
…
悲鳴嶼さんまで」
「しのぶ
…
最近の態度を改める機会だ」
悲鳴嶼さんは小声で私に言う。
「それは
…
わかりました」
悲鳴嶼さんに言われたら断れない。
私の恩人だし、父のような人だ。
どうか用事があって断って、冨岡さん。
「俺は胡蝶さえよければ」
困った、この状態で断れない。
「冨岡さん、お願いします」
「ああ」
にこっと冨岡さんが笑う。
「あのぉ、私は慣れないので私にあまり笑いかけないでください」
「あはは」
冨岡さんが目を細めて笑う。
「俺もわかるぜ、胡蝶。でも、口にだすな」
不死川さんも同じ気持ちなのね。
「しのぶ
…
素直になりなさい」
悲鳴嶼さんの涙がいつもより多い。
素直
…
。
いや、今のは素直よ。本当に冨岡さんの笑顔には慣れないのよ。
*
みんなと別れて、とうとう冨岡さん2人っきりになった。私はなんとなくいつも通り後ろをついて歩く。
春の温かい空気が私をドキドキさせる。
しーん
いや
、いつものことですし、それこそ沈黙のほうが慣れてるけど、ずっと沈黙のまま帰るのもどうなのかしら。
いつもなら私から話しかけるのに話題も見つからない。
冨岡さんから何か話してほしい。
「胡蝶
…
」
「は、はい」
いや、やっぱり話さないで。
「俺、なんかしただろうか?」
そりゃあ、そう思いますよね。
「してません
…
」
「ならいいんだ。その
…
俺は健診で胡蝶に会えるのを楽しみにしている」
ふんわりと冨岡が微笑む。
「あ、はい、どうも
…
」
慣れないわ。やっぱり、冨岡さんは笑わないでほしい。
「つれないな
…
」
「なんでしょう?」
「よく胡蝶が言ってた。つれないですねって
…
」
「確かによく言ってましたね」
「気持ちがわかった」
心が痛い。
「冷たくしてすみません、私にもその、よくわからなくて、なんかものすごく冨岡さんにだけは会いたくなかったんです」
やけになって素直に言う。
冨岡さんが驚いた顔をしてる。
「やはり何か胡蝶に気に触ることをしたのか、俺」
「いえ」
「何故?」
「それがわかったら苦労しませんよ」
「
…
え」
何それ?って顔をしてる。
こっちだって知りたいわよ。
「冨岡さんがいると思うだけで調子がでないし、イライラするんです」
顔が赤くなる。もう。なんなのよ。
「そんなに嫌われるとか
…
何かしたなら本当に謝る」
「とりあえず腹がが立つのでこっちみないでください。
でも、医師として、冨岡さんの命は絶対に私が守ります。だから、安心してお嫁さんをもらって、家族を作ってくださいね」
「胡蝶
…
」
「話しかけないでください」
「いや、おまえの妹たち
…
」
桜吹雪の向こう側にカナヲとアオイの姿がみえた。
買い出しに行ってたようだ。
「カナヲ、アオイ!!」
「水柱様、お久しぶりです」
アオイがハキハキと挨拶をする。その横でカナヲがペコリとお辞儀する。
「神崎、栗花落、久しいな。もう、鬼殺隊は解散したから、冨岡でいい」
「解散
…
」カナヲが呟く。
「妹たちもいるし、ここで俺は失礼する」
「
…
送っていただいてありがとうございます」
「気をつけて」
(私
…
とんでもないこと言ってしまった)
「姉さん
…
」
「しのぶ様、喧嘩ですか?」
「違います。私が一方的に怒ってるだけです」
「「なんで?」」
二人が同時に言う。
「冨岡さんといると
…
そのすっごく腹が立つんです」
二人の目が点になってる。
そりゃあそうよね、しかも本人にそれを言ってしまうんだから、どうかしてると思うわよね。
「姉さん
…
風柱様じゃあるまいし」
「しのぶ様は、むしろ冨岡様とは仲よかったじゃないですか。いつも楽しそうになさってて、最近になってなんで
…
」
「アオイどうしたの?」
カナヲがアオイの顔をのぞく。
「しのぶ様、まさかとは思いますけど、今更お気づきになられましたか?」
「何をです?」
「冨岡様のこと特別に想ってますよね」
「アオイ、姉さんは子どもじゃあるまいし好きな人を避けたりしないよ」
「好き?誰が誰をでしょうか?」
「しのぶ様が冨岡様を」
「はあ?!」
「姉さん、声」
私が冨岡さんを好き?
私は私の責務がある。
私は医者としてみんなの命を救う人生を選んだ。
一度捨てた命が役に立つのは喜ばしい。
それが私の幸せ。
私は昔からじゃじゃ馬で、女の子らしいこととは無縁だ。
毒を飲み続けたこの私の身体は子を成すことができるかもわからない身体だ。
未だ月のものだって来ない。
普通の女の子みたいになんて生きていけない。
だから、恋なんてしない。
好きな気持ちがこんなにも胸がドキドキして苦しいなんて、絶対にそんなことない。
第一話 女心の複雑 (完)
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