甘い香りのするリビングに、するりと入り込んできた翼猫。
冬の葉っぱが落ちた木の色に孔雀に似た色を合わせた服に身を包んだ主である付喪神が、その兄と妹である二人に囲まれ、あーだこーだと話しているのが視界に入る。あの二人がくると、いつもはのんびり仕様な主が『普通の女の子』と呼ばれる感じに見えて、ちょっと不思議な気分になる翼猫であるのだけれど。
「
…これで、はーと
…なの?」
「そうそう、最近はそういうのもあるんだって。スマホでみた!」
「気付くと増えている気がするな、そういうの
…指ハート?っていうんだっけ?」
「
…はーと
…?」
主にポーズの指定をしてはスマホとか呼ばれる四角い機械を弄る妹と、そんな妹に指示されるまま首が傾いている主の指を修正していく兄。主はずっと不思議そうな顔をしていて、いまいちわかってない感じがするけれど。その心の内が『黙って好きにさせるのが一番開放されるまでに時間がかからない』と思っていそうな気がする。たぶん間違っていない。そんな三人の様子を、日当たりのよい窓際に置かれたクッションに丸まり横目で見ながら(
…ねむ)と翼猫は興味なさげに欠伸をひとつ。
「あ、藍花。今年のチョコはなぁに? そういえば、あの二人には作ったの?」
「あと
…お返し。藍花は何がいいか、考えておくんだよ?」
「家用には
…ちょこわらび餅と、ましゅまろちょこばー。二人には、うん。甘めと苦め? あ
…食べたい言われた、おれんじぇっと
…おれんじと、檸檬で多めに作ったから、千颯と咲良彩にもあげるね
…?
「檸檬! っていうか、兄さん私には?」
「今年はそこから手作りしたのかい? 頑張ったね。咲良彩はどうせ一緒に食べるから、いいだろう?」
わいわいと、スマホとやらでの出番が終わったのか。3人がキッチンカウンターの方へと移動していくのを見送って、翼猫は(おやつ、食べたいなぁ
…)なんてクッションの上でゴロゴロのびぃ~としながら、他人事のように思う。実際、普通の猫ではないし、チョコも食べられるのだろうけれども、いまいち興味が沸かない翼猫的には他人事そのものらしい。
ただ、甘い香りのする暖かい部屋に響く、楽しげな3人分の声は嫌いじゃなくて。
あと、もしやこの流れなら自分のおやつももらえるのでは?と気付いて「にゃう」と鳴きながら家族団欒の中へと入っていく。 三人と一匹は甘いチョコレイトの匂いが漂う部屋の中、和気藹々と過ごすバレンタインだった。
独り言
恒例のお絵描きのおまけに小噺ぽちぽち。今回は初めて珠花にゃん寄り視点にしてみたけど、結構楽しいかも? メイちゃんにも好評だったし、また書こうかなー。
公式の方の🍫ピンとかノベルは、苺チョコカラーで纏めてるので。こっちではチョコミントっぽく!
未だ主線のペンが定まってないけど、そこはかとなくクリスタ自体は慣れてきた気はする…?
でも、そもそもボク、絵師ではなく文士なので、文字が書きたい。ネタ提供はいつでも承ります。うちよそ小噺、書くの好きなのでネタください。見たいシチュぶん投げとかでも是非。
あ、公式で1:1とかも勿論歓迎でございまするよー ⸜(*˙꒳˙*)⸝
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