アサフタ
2024-12-04 17:27:22
510文字
Public 花スピ
 

花スピ/唯一無二じゃない話。

はなばたさんの過去の交際について匂わせています。

 これほど恋い焦がれたのは初めてだ、などと痴れ言を口にするわけがない。
 かつて交際した相手への慕情は確かに在った。少しばかり思惑が絡んでいることもあったが基本的には穏やかに関係を築いたし、蔑ろにした記憶はない。
 だが、彼女たちは過分を求めた。誰も彼も自分をリ・デストロよりも優先してほしいと言い募る。おかげで美しい幕引きを迎えられた回数は少ない。
 その点、スピナーはおとなしかった。助かるものの、不満は無いのか気にかかる。二番手でもいい、などと見当外れの覚悟を持たれてはかなわない。危険の芽は先に摘みとっておくべきだ。
 含みある言い回しを用いて、探りを入れる。すると相手は、雑談でもするような気軽さで説いた。

「だって、俺にもアンタ以外に大事にしたい奴はいるし」

 照れも嫌味もない態度に苦笑する。
 今までの私なら、その対象はリ・デストロであるべきだと指導しただろう。だが、スピナーに対して行うのは憚られた。彼の在り方に口を出してしまえば、彼が彼足りうる要素が損なわれる気がするためだ。
 代わりに、閉ざした唇を頬へ寄せる。こっちにはしねェの? と問われてしまえば、応えないわけにはいかなかった。




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