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アサフタ
2022-04-05 12:53:41
587文字
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花スピ
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花スピ/4月1日午前2時
すぴなーくんが初めて好きだと言った日の話。
SS名刺で書いた話の長いver
聞きたかった言葉が届いた。しかし心は弾むことなく沈む。情事後のクールダウンも合わさり、頭の芯まで冷えてしまった。
なにも今日でなくてもいいでしょう。つららのような言葉が、声帯に突き刺さる。おかげで口にせず済んだ。
私の反応を待っているのか、赤い瞳がこちらを注視する。ため息を堪えつつ、できれば明日聞きたかったです、と答えた。
「明日?」
青年の目が瞬く。数秒後、枕からぽすんと音が上がった。顔を埋めたまま、伊口くんが了承する。
「まあいいけど」
それも嘘ですか。冷めた視線を向けると、期待していた態度ではなかったのか相手の声が低くなった。
「聞きたくないなら今言えよ」
「いいえ、是非とも耳にしたいですね」
表情筋に力を入れ、穏やかに微笑む。それでも彼は不満そうだった。つらいのは私の方なんですけれど。
笑みを浮かべたまま手を伸ばす。わずかに除く頬に触れると、情事の跡は既に薄れていた。
彼は、快楽に溺れている最中に譫言を漏らしたりしない。それなのに平熱に戻った今、戯言を吐いた。何故。正気だからこそなのだとしたら、あまりに残酷だろう。
冷え込む体温とは逆に、ふつふつと怒りが沸く。迫り上がった感情が目の奥を刺激し、ツンと痛んだ。
この頬を打てば気が晴れるのか。逡巡するも、実行には至らない。
心に隙間風が吹き、自分がひどく愚かになった気がした。
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