望月 鏡翠
2026-02-12 18:40:34
895文字
Public 日課
 

#1998 堕落の街2

#毎日最低800文字のSSを書く/祝福の塔

 こう、やっぱり主とか一番上とか、その属性の代表ってちょっと尖った人しかできないのかな。何かに突き抜けている感じというか。孤独の街の主もキャラ濃いなと思ったけど、堕落の街もかなり濃い。
 いや、でも正直接客業やってると、たま〜にああいう感じの人はいるから、孤独の街の主よりは全然見覚えある感じだった。むしろ話しやすいとすら思った。
 流石に自称神様はいないけどさ、ナチュラルに上から目線というか、自分よりも相手が上だと疑いなく、見下しているという自覚もない。そういう人は正直たくさん遭遇する。
 同僚でも客でも。進学した同級生でも、就職した友達でも。
 フリーターよりも正社員の方が偉いと思っている人はいるし、金を持っているから人よりも偉いと思っている人も、客は従業員よりも偉いと思っている人だっている。学歴だって、キャリアだって、生まれだって、何でだって人は人の上に立つ。
 それで悪気なく、可哀想な側をなんかしてくれようとしたり、可哀想な人間なりの相応の態度を要求されるとキツイなと思うけど、そうじゃないならまあいいや。
 実際、神様で統治者で、この階層の主人なら偉い人なんだろ。偉い人が上から目線で悪いことないよ。
 周りに神様扱いされたいわけじゃないのに、何で自称神様なんだろう。だって別の神様信じているやつが――日本人ってあんまり神様とか信じてない人多いけど――百人近く塊になって街に入ってきてるんだし、街に滞在するなら口裏合わせろくらい、言わなくていいのかな。
 巡礼者はよそ者だからいいのか。いやでも。う〜ん、それでもいいやって手放せるあのドライさが何を考えてるのかわからなくてちょっと怖い。
 巡礼者ってこの街で、宮廷道化ポジだったりすんのかね。
 街の人間は、巡礼者を歓迎してくれるらしい。
 それはそれとして、一度部屋に戻ることにした。
 臭いのは、流石に申し訳ないよ。着替えもしたいし、部屋に戻ってシャワー浴びてから、改めて街を見て回ろう。
 堕落の祝福って一体何なんだろうな。でも、孤独も最終的には良さそうな感じだったし、きっと何かいいものがもらえるんだろう。