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うすねず
2026-02-13 20:00:00
2440文字
Public
カイスト
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飲酒フロルン
休憩中のルーンさんにフロウさんが酒飲ませたり押し倒されてるところにちょっかいかけたりするだけ
休憩中のルーンは酒に酔うらしい。
というわけでそこら辺で買った安酒を持って訪ねてみた。
なんか無断で境界線超えたら殺すとか書いてあった気がするが、まあいいだろ。
「こーんにち」
敷地に足を踏み入れた瞬間大量の矢が降ってきた。
簡単に潜れるくらいの密度だったが、適当に持っていた酒瓶は割れてしまったので一時撤退する。
うーん、このまま殺し殺され追いかけっこになっても楽しいんだが、今の俺は酔っ払ったルーンが見たいからな。一回街まで戻るか。
「おーいっ、ルーンくーん」
そんなわけで酒を買いなおしてきたので今度は外側から声をかけてあげた。
俺ってば優しいね。
「
……
入れ」
少しの沈黙の後に許可の声が聞こえたので遠慮なく扉を開ける。
室内にはテーブルとキッチン、暖炉くらいしかなくて至極シンプルだ。
家も住んでる人間に似るのかね。
「休憩中なんだって?あ、これお土産な」
わざわざ買い直した酒を置く。どうせならベロベロになってもらいたいので度数は強めだ。つっても一般人から見ての範囲だが。
「
……
」
「飲むかなって」
どんな反応をするかなとワクワクしていたら普通に頷かれ、棚からグラスが出てきた。
「どうする。お前も飲むのか」
「あ、うん」
二つのグラスに同量くらいの酒を注ぐと片方を俺の前に置き、ルーンはそのまま無言で飲み始めた。
ええー。
「もうちょっと抵抗とかあるかと」
「今俺は仕事を受けていないし、やるべきこともない。お前からの酒に警戒すべきではないのかという意味であれば、この酒に毒物は混ざっていないことは確認している。俺が感知できないものであった場合は死ぬまでにお前を殺すだけだ。殺されるのはこちらかもしれんがな」
「ふーん」
なんだか拍子抜けするが、そんな感じで酒盛りが始まったのだ。
そしてなんとなんと、奴とのサシ飲みは途中で酒を追加したりしてそれなりに盛り上がった。ルーンの野郎は俺が期待してた暴れたりわめいたりみたいなことはしなかったが、まあまあ楽しかったな。
途中からは俺も普通に飲み始めたのであんまり覚えてないんだけどね。
この俺が泣いてるルーンを慰めたりなんかしちゃったあたり、かなり酔っていたんじゃないかと思う。
気がついたら朝になってたのでちょっと殺し合いをしてから殺されてやって帰ってきた。
まあまあ面白かったからこのネタでからかうのはやめといてやるかね。奴もたまには息抜きしないとだろうし。
ま、俺のことだからいつ気が変わるかわからないんだけど。
ルーンが休憩中らしいのだ。
そういや昔飲ませた時面白かったなーと思い出したので、この前よりもちょっと良い酒を用意して、今回あいつが滞在してるらしい小屋に向かった。
相変わらず無断で侵入したら殺すみたいなことが書いてあったような気がするが、まあいいだろ。
あれっ、敷地に入っても矢が飛んでこないな。
「うーん、こりゃ出遅れたか」
そのままおじゃましまーすと入り込んでみると小屋の中は酒くさく、女に縋り付いて泣いてるルーンが裸にひん剥かれてるところだった。
やっぱり出遅れたな。
女の方は慈母みたいな表情をしてるが目つきが欲望やらなんやらでギラギラだ。ただでさえ鋭そうな目つきだからはたから見てるとかなり迫力がある。
ありゃ最近できたっていうルーンの弟子の
……
なんだっけ。とりあえず奴の弟子だ。たしかルーンにえらく酔心してるって話だったような。
そんでその弟子が師匠を襲おうとしている下克上シーンに俺が遭遇したってわけだ。
「あららら、お楽しみ中ですか〜?」
「誰だっ」
「
……
フロウか」
刺すような視線が俺に向けられる。
ルーンの奴は酔って感情を表に出しているだけで警戒まで解いているわけじゃない。殺意を向けられれば当然殺すだろうし、敷地内に侵入してきた者がいれば即座に警告するだろう。
俺がここまで入り込めたのは、まあ、そんだけ弟子しか目に入ってなかったのかね。
両手を上げて無害をアピールする俺が口を開く前に、弟子からナイフが飛んできたので避ける。
「ちょっとちょっと、俺はなにもしてないですよ」
「うるさいっ師匠との時間を邪魔するなっ」
そのまま俺に向かってくるんだから女の独占欲は怖いね。
行動する前に首に巻きついてる糸を切り落としてる辺りはまあ、奴の弟子らしいが。
「大事な師匠ほおっておいていいんですかあ?」
「貴様を始末するのが先だっ」
失礼しちゃうな。こんなに無害でかわいらしいのに。
国境を二つほど超えたあたりまで追いかけっこを続け、適当なところで撒いて小屋に戻った。
ぎりぎり気が付けるかどうか位の痕跡残しまくっておいたからしばらくは戻ってこないだろ。
ドアから入ってきた俺を見てルーンは笑う。
それは億年単位で固まっていた場所を無理やり動かしたような歪な笑顔だった。
「はは、強くなっただろう、あいつも。お前相手にも立ち回れるようになったんだからな」
「いやあ、俺は全然本気出してないけど?」
「それでもだ」
「そっかあ。ま、飲め飲め」
空いていたグラスに酒を注ぐと素直に飲んで、そのまま今度は泣き出した。
飲んでる時のこいつは笑ったり泣いたり忙しい。前回はここまででもなかった気がするんだが。
俺が来る前に飲まされまくってたみたいだし、弟子の前で気が抜けてたのかね。
適当に飲ませたり飲んだりしていると、外から物凄い勢いで近づいてくる気配がある。
殺気を隠す気もねえなこりゃ。
「フロウっっこんの蜘蛛野郎っ」
息を切らし飛び込んできた弟子を見たルーンはまたへにゃへにゃ笑ってる。これじゃ普段の無表情も形無しだ。
まったく、何が嬉しいんだか。
それなりに満足したし退散してやろう。サイコロがそっちに転がったので弟子を首に引っ掛けた糸で殺すのも止めておいてやる。
ま、しつこく後ろをついてくる相手がいるってのもルーンにとってはいいことかもな。
俺はごめんだけど。
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