Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
三毛田
2026-02-11 21:35:06
1078文字
Public
1000字6
Clear cache
65 19. 夜明け前を泳ぐ魚
65日目
一人、明け方の海を
朝焼けの空に照らされた、透き通る海を泳ぐ。
時折、こうして誰もいない海を泳ぎたくなる。
「
……
」
鱗淵境すぐの浜辺から海へと入り、またそこへと戻って来て。海水を洗い流してから、それから列車へと跳ぶ。
「おかえり」
「ただいま。不満そうだな」
ラウンジには腰に手を当て、睨むようにこちらを見てる穹。
「何で俺を置いていったんだよ」
「お前は泳げないだろう」
「そんなことないし。最低限は泳げるし」
むすっとしながら、そう返してくる。だが、俺のスピードには追い付けないはずだ。
「起きたらお前が隣に居なかった時の、俺の気持ちも考えろ」
「それは
……
すまない」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられ、驚きと同時に申し訳なさで言葉に詰まる。
「次は俺も一緒に行くからな」
「考えておこう」
「ちゃんと考えろよ」
一度強めに抱きしめられ、それから離されて。
「これから一緒に寝るぞ」
「俺はもう眠くないんだが」
「いいから、寝る!」
「わかった」
俺が頷くと、笑顔で手を引いて。部屋のベッドまでたどり着くと、先に寝転がり。
それから、ポンポンと隣を叩き。
普段の姿になってから、そこに寝転がればそっと抱きしめられ。
「丹恒の匂いだ」
「水っぽい匂いじゃないか?」
「ううん。俺、この匂い好きだ」
首元に顔を埋め、深呼吸する。吐息がかかり、くすぐったくて笑うと。
「いつもの丹恒だな」
「いつもの俺も今の俺も一緒じゃないか?」
「ちょっと違うんだな、これが」
と言われても、俺には違いが分からず。しばらくすると、吐息は寝息に。
それにつられ、段々と眠気が。
穹を抱きしめつつ、俺も眠りにつき。
「
……
」
「こら、穹」
寝て起きて腹が減ったのでパムの元へ行こうかとしたら、腰に抱き着かれて。
起きたのなら一緒に行くかと声をかける前に、こうして腰に抱き着かれてしまった。
「起きているのなら、離してくれ」
「や」
まるで子供だ。まあ、そんな彼のことも愛しいと思っているのだから、我ながら重症である。
「丹恒が泳いでる姿見たかった」
「まだそれを掘り返すのか」
「絶対綺麗だ」
「そんなことない」
否定すると、ぐりぐりと顔を押し付けてきて。
仕方ないので、頭を優しく撫でてやると
「俺、丹恒の事全然知らない」
「俺も、お前の事をまだまだ知らない」
「だとしても、俺の方が知らない。こんなに、好きなのに」
抱き着く力が強くなる。これは、引きはがすのは骨が折れそうだ。
とりあえず頭を抱きしめ、それから撫でる。
これはしばらく拗ねそうだ。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内