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望月 鏡翠
2026-02-11 08:58:16
939文字
Public
日課
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#1997 堕落の街
#毎日最低800文字のSSを書く/祝福の塔
孤独の街は、いい意味でも悪い意味でも、みんな自由にやっていた。
文字通り孤独。自分がやりたいことを、自分のやりたいように。大学都市みたいな雰囲気があったのは、そのせいなのかもしれない。
次は堕落の街。名前だけ聞くと、ちょっと怯む。
孤独といい堕落といい、どうしてこんな風に祝福とかけ離れたちょっと怖い名前をしているんだろう。
どんな恐ろしい街なんだろうとラウンジから出て、日差しに出迎えられた。そういえば前の街って太陽見なかったかも。寒いからそれどころじゃなくて気にしていなかった。
何というか、思ったよりもかなり街っぽくて驚いた。研究者じゃなくて生活をしている人がいる。マーケットがあり、経済が存在している。
テスターと言って無料で服をもらうような大らかさはたぶん、ここにはないんだろう。
街並みも人の衣服も、前の街よりも素朴な生活をしているように見えた。街ごとに文明レベルどころか、世界観レベルで大きく違うらしい。
前の街には曇ったままだが空があって、今ここには輝く太陽がある。そのあたりの理由を考えるのは、無駄だからやめた。
エレベーターに乗ったら異世界に移動するくらいざっくり考えておけばいい。
巡礼者たちはまず街の主のところに案内された。大きな宮殿だ。宮殿って本当にあるんだ。遺産とか観光地じゃなくて、本物の統治者が座って生きた宮殿だ。いや、現代でもいるっちゃいるんだろうけど、別に生きててあうことないし、生活圏に入ってくることってないからさ。
マジでこの感じで存在できるんだって、ちょっと感動した。
で、問題はただの私服の一般人は、礼儀作法もなんも心得てないんだけど、大丈夫か? ってこと。
主の反応を見るに、大丈夫じゃなかったかもしれない。臭いってストレートな悪口か嫌悪だよな。言われて嬉しいかというと全くそんなことはないけれど、正直なところそれも妥当な反応だと思った。
他の巡礼者はともかく、部屋も見つけてなくて防寒のための上着は見つけたけど、何日も風呂に入ってなかったし、着替えもまともにしてなかった人間が臭いのは当たり前だ。
食べなくても寝なくてもいいから、代謝自体がないのかと思っていたけど、そうじゃなかったらしい。
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