三毛田
2026-02-10 21:37:09
1077文字
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64 18. 零れ落ちる砂を数えて

64日目
君と過ごす日々の愛しさを

 手のひらから零れ落ちていく砂。
 その一粒一粒を数えることはできないけれど、これで何度目であるかは数えられる。
 掬っては零れ落ち、また掬う。
 キリがないし、終わりがない。
「丹恒、パンツまでびちゃびちゃになった」
「お前……
「てへ」
 靴の中に靴下を丸めて入れ、それを両手に持った穹が俺の側に歩いてくる。
「靴下もびちゃびちゃ」
「そうだろうな。転んだのか」
「うん。足を滑らせた」
「列車に戻るのに、びちゃびちゃだとパムに怒られるから俺が洗おう」
 穹に触れながら、雲吟の術で全身を水洗い。
 髪が濡れたのが気になるのか、全力で頭を振って。
 それから、また術を使って水分を飛ばす。
「足砂だらけ」
「適当に座れ。洗ってやる」
「はーい」
 俺が促すと、適当なところに腰を掛けて。
 靴と靴下、足を綺麗にしてから乾かす。
「履かせるから、動くな」
「分かった、ママ」
「ママじゃない」
「あてっ」
 額を弾くと、むすっと唇を曲げながら額を押さえて。
「どうだ?」
「うん。ベタベタしないし、靴下もびちゃびちゃじゃない!」
「帰ろう」
「もうちょっと一緒に居たい」
「部屋でじゃ駄目か」
「それでいい」
 手を差し出されたので、それにそっと乗せ。二人で列車に戻り、ラウンジに居たパムに挨拶をしてから穹の部屋へ。
 一応お風呂に入り、全身くまなく洗う。と、俺も洗われた。ただ、心地よい水温だったので眠ってしまいそうだった。
「穹。眠るなら、出ろ」
「んー……
 うつらうつらしてるので、浴槽から出して綺麗に拭く。
 髪の毛も拭き、その後乾かしてからベッドに寝かせ。
「おやすみ、穹」
「うぅん。おや、す……
 律儀にあいさつを返してくれたのを確認してから、ポンポンと胸の辺りを優しく叩き一度部屋を後に。
「穹はどうしたんじゃ?」
「はしゃぎ疲れて寝ている。あいつが起きたら食べられるものを、用意してもらいたい」
「わかった。丹恒はどうする?」
「今から貰いに行く。あいつが起きる前にガッツリ食べてしまおう」
「温め直せば、すぐに食べられるぞ」
「それはありがたい」
 食堂へ行き、パムが用意してくれた食事を食べてから、軽食を持って部屋へと戻り。
 穹が起きるまで時間があるので、読書をしつつ時間を潰す。
……
 砂を数えるのは、途方もない時間が必要だろう。
 やろうと思えば、俺はその時間を確保できるかもしれない。でも、それは、列車の面々と過ごす時間を犠牲にしたら叶うもの。
 それでは意味がない。
 彼らと過ごすから、意味がある。