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三毛田
2026-02-09 21:48:19
1083文字
Public
1000字6
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63 17. ロジカルな感傷
63日目
君がいれば、それもなくなる
「はぁ
……
」
「ため息をついてどうした」
「恋するお年頃は、難しいんだよ」
「そうか」
自分で聞いてきたくせに、丹恒は冷たい。
まあ、いつものことだから気にしてないけど。
感傷的な気分に、長時間浸ることすら許されない感じだ。
「何が不満なんだ」
「別に」
俺が不満を感じていることは、わかるんだ。なんて、嫌味っぽくなるけど口にはしない。
「ほら。膝枕でよければするが」
「お願いします」
本を閉じて太ももを叩くので、ゆっくりとそこに寝転がる。
いつものことながら、いい感じに引き締まっている。最高。
「丹恒さん、いますか? 三月さんに、今の時間はここにいると聞いたのですが
……
お邪魔でした?」
ノックの後、そっと顔を覗かせてきたのはサンデー。
「邪魔」
「こら」
俺が低い声で一言告げると、哀しそうな目でシュンと羽根毛をしおしおさせて。
そんな俺を、叱るように額を叩く丹恒。
「それで。どうした」
「この間お借りした本の続きがありましたら、借りたいと思いまして」
「ああ、あれか。それなら、資料室に置いてある」
「やー!」
体の向きを変え、お腹側に顔を埋める。
「子供じゃないんだ」
「今は俺の時間!」
チラッと横目で見ると、二人は顔を見合わせてから、ちょっと呆れたようなため息。
失礼だな!
「そうですね。穹さんとの時間のようなので、ワタシは一度戻ります」
「すまない。穹が落ち着いたら、持っていく」
「分かりました。お待ちしています」
独り占めしたい気持ちと、丹恒が他の人と楽しそうに過ごしている時間も、大切にしてほしいって気持ちが同居中。
「うう
……
」
「大丈夫か?」
「だいじょばない」
お腹にぐりぐりと顔を押し付ければ、優しく頭を撫でてくれて。
こうやってすぐ甘やかす。
そこが好きだけど、ちょっとだけ嫌い。懐に入れた相手に甘いのは、俺と一緒。お揃い。それは嬉しい。
「お前はわかりやすいな」
「馬鹿にしてる?」
「いいや。そういうところが、好ましい」
柔らかく微笑むから、思わず手で顔を覆うことしか出来なくて。
「んんっ」
「また唸っているな」
さっきまでの表情から一転。また呆れた表情を向けられてしまう。
くそう
……
。
「でも、感傷的な気持ちだって、すぐ吹っ飛ぶんだよな」
「嫌なのか?」
「全然! 丹恒が相手だから、そんなことないんだ」
下から頬を撫でると、気持ちよさそうに目を細めて。
ああ。その表情も、すごく好きだ。
俺、自分が思うより丹恒が
「好きだな」
「穹、俺もだ」
改めて、そう思った。
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