望月 鏡翠
2026-02-08 23:54:57
1087文字
Public 日課
 

#1994 占いはなんて言ってた?2

#毎日最低800文字のSSを書く/祝福の塔


 誕生日を聞いて、ページがパラパラと捲られる。
「ぞろ目だぁ」
 こういう占いって現状と合っていても間違っていても楽しい。それを目の前の人とあれこれと話す。そのことに意味があると思う。
「えとねぇ、視野が広くて独立心がつよい! 伝統とか気にしないタイプ? でも協調性はあるほうらしい! せっかちで飽き性なのがタマニキズ!」
「へ〜」
 飽き性なのは、合っているかもしれない。バイトも定期的に変えてしまうし、恋人も長続きしない。周りにあわせるのは得意かも。人とぶつからない性格してる。伝統的な方じゃない。
 お、意外と合ってんじゃない?
「一見ドライに見えるけど誠実なんだって! ほんとかにゃ~?」
 いやいや、それなり優しい人間のつもりですよ。
「なんか褒められてる感じだね、うれし〜」
「全体的にいいこと書いてあるゅ! やったね」
 占いは信じてないと言ったけど、褒められると素直に嬉しい。
 お礼を言おうとして、相手の名前を知らないままだったことに気がついた。
「あ、名前言ってないや。鹿山 光輝。よろしくね」
「あっあっ、よろしくっ! 私はねえ轟野 津鞠」
 覚えやすい名前だ。それだけで、一つの言葉のようになる、意味ありげなやつ。二葉亭四迷みたいな。
「文豪っぽい名前だね。トドノさん? それともツマリさんて呼んだらいい?」
「ツマリでいいよぉ! あなたずっと外にいるくない? 気のせい?」
「ぇぁ」
 痛いところを突かれた。
 どうしていまだに野宿しているのか。外の世界はあんなに寒いというのに。理由は単純かつくだらないものだ。
「なんか、めんどくなってぇ。そのまま探してない。部屋探してないからせっかちではないのかも」
 撮り逃しているから、視野も狭いのかも。
 ドン引きされた気がする。いや、ホームレス状態なんだからそりゃそうか。みんなラウンジから部屋を見つけて引き上げていっていると言うのに。
 不潔だと思われたかもしれない。
「うそゃん無茶すぎまた死ぬよ? やめれる?」
「やめれるかなぁ。いや、野宿が好きなわけじゃないから、街にいる間は泊まれるところ貸してもらうか、寝袋の研究開発している人でも探すかな」
 いざとなったら防寒具を貸してくれた人から予備をもらって、そのまま寝る場所に敷かせてもらおうかな。テスターになってと言われたけれど、感想を伝える術もなく、持ち逃げみたいな形になってしまう。
 まあ、結論、部屋に関してはいまだに解決策はないのだ。
 これって独立心かな。
 こうやってなんだかんだ、結果を気にしてしまうのが、占いだよな〜。