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三毛田
2026-02-05 22:10:26
1075文字
Public
1000字6
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59 13. 目蓋の裏にゆらめく
59日目
君の尻尾
「
……
」
「どうした」
「丹恒、飲月になって」
「はぁ」
突然の俺の言葉に、訝しげな声を出すけれど飲月の姿になってくれて。
「これだ」
「っ」
目と閉じて眠りにつこうとする時。瞼の裏に揺らめくものの正体。
丹恒の、透明な尻尾だ。
「うん。この艶やかな感じと、鱗の形状。やっぱりそうだ」
「な、何がやっぱりなんだ」
「俺、思っているよりこの尻尾が好きみたいでさ」
「ひっ」
頬ずりした後、鱗の一つを舐めれば悲鳴が上がり。
「最近、目を閉じるとこの尻尾が瞼の裏に焼きついていてゆらゆらしてるんだ」
「そ、そうか。だが、それと俺の尻尾を舐めるのとの因果関係が不明なんだが」
「好きだから、口に入れたくなる」
「意味が解らない」
引いた表情を浮かべ、俺から尻尾を引き離そうとする。でも、離すわけがない。
「穹、頼む」
「やだ。離して欲しいなら、俺のお願い聞いてくれるか?」
「俺に、出来ることならば」
引っかかったな! とは口にせず、付け根から尻尾の先端までを優しく撫で。
「今日はこのまま俺に抱かれて」
「それ、は」
「叶えられないことか?」
「そうではない、が」
丹恒は、飲月の姿で俺の前にいることを、少々嫌っている節がある。
かっこいいし、俺は好きだって伝えたのだけれど、あまり信用されてない感じ。何でだよ。
「が?」
「お前は、この姿に対して何か思うところはないのか」
「かっこいい。俺は好き。それに」
「それに?」
「どんな姿でも、丹恒は丹恒なんだから、あまり思いつめなくていいと思うんだ」
尻尾の先端にキスをすると、わかりやすく肩が跳ねて。
可愛い。
「もしかして。俺に抱かれるのが、嫌?」
「それは、嫌ではない」
少々食い気味に答えるものだから、思わず苦笑してしまい。
丹恒の余り色の変わらない頬が、一気に真っ赤になって。
「穹の、ばか」
力の入っていない俺の手をそっと振り払い、尻尾を抱いて自分の顔を隠しながら。
そんな顔されたら、滅茶苦茶に抱きたくなっちゃうじゃん。どうしてくれんだよ。
「はあ
……
」
「ど、どうしたんだ」
低音でため息をつくと、心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。
「捕まえた!」
「わっ」
そんな彼の頭を抱きしめて、頬ずり。
下半身がちょっとイライラしてるけど、それを伝えたら逃げられそうなので黙っておく。偉い。
「というわけで」
「どういうわけだ」
「俺がどれだけ丹恒が好きか、どんな姿でも関係ないってはっきり言えるのか。その体に教え込むから」
「それ、は」
「覚悟しろよ、丹恒」
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