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雨鶴
2026-02-03 19:36:33
2015文字
Public
小話
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ツインテールの日
タカ丸と長次の話。くのたまちゃんも出てくるけど、あんまり会話ない。ごめんよ。
「え~!そんなぁ。ひどい~」
長次が委員会に向かおうと歩いていると、何処からか悲痛な声が聞こえて来た。気になって足を向ければ、仙蔵と斉藤タカ丸が何やら言い合っている。
「
…
どうしたんだ。二人とも」
「長次」
「あっ、中在家くぅん!聞いてよ~」
「
…
うん?」
斉藤タカ丸の話はこうだった。
くのたまに新しい髪結いを教える為に、作法委員会から生首フィギュアを借りる予定だったのだが、そのフィギュアが
…
。
「壊れてしまった、と」
「そうなんだ。もともと補修しようと思っていたんだが、手を滑らせてしまってな
…
。タカ丸には悪いが貸し出せなくなってしまったんだ」
「他のフィギュアは
…
?」
「昨日の首実検に使用して、まだ手入れしていない」
申し訳無さそうに仙蔵は言う。
「困る~。立花くぅん」
タカ丸は仙蔵の腕を掴んで「何とかして~」と半泣きだ。
「そうは言ってもな
…
あっ」
ぱちり、と仙蔵と目が合う。
「
…
?」
◆◇◆◇◆
そして現在。
「今日はぁ~、新しい髪型を教えるね~。特別モデルは中在家くんに頼んでまぁす」
「お願いします~!」
「
……
」
長次はタカ丸の髪結いのモデルになっている。なんでこうなった。
『長次、少しタカ丸に付き合ってやってくれ』
『
…
は?何故私が』
『私はフィギュアの手入れがある。タカ丸、長次が髪結いのモデルになってくれるそうだ』
『ほんと~?ありがとう~!中在家くぅん!』
『お、おい
…
、斉藤!』
(強引に連れて来られた
…
しかし、後ろ向きだし無茶な髪型にもしないだろう)
ハァ、と長次は溜め息を吐いた。
長次が忍頭巾と元結を取り外せば、タカ丸が慣れた手付きで髪を梳かしていく。
「髪はまとめやすい様に、最初梳かしてね~。乾燥が酷かったら髪油を少し馴染ませてあげて」
こんな風に、と指先に垂らした椿油を長次の髪へ手櫛でタカ丸が馴染ませていく。
「後ろ髪を真ん中で2つに分けるんだけど、耳の上、横、下で可愛さが変わるんだ~。最初は上からね~」
鼻歌交じりにタカ丸は長次の髪をいじっていく。
「
……
」
くのたまに教えるので『可愛い』と云うワードが出てくるのは当たり前なのだが、自分の髪の毛で『可愛い』を表現されるとは思ってもみなかった。
「まずはラビットスタイル。通称ハイツインテール。耳の上で作る結び方ね。元気いっぱいな感じが可愛いよね~。色の付いたリボンで飾っても可愛いし、髪の毛で【はあと】作っても可愛いよ~」
「
…
!?」
普段ほわほわ話しているタカ丸が、やたら流暢に喋っている事に長次は衝撃を受ける。
「耳の横はオーソドックスなレギュラースタイル。こちらも色付きリボンを絡めてあげて。三つ編みでリボンを作ったりしても可愛いんだ」
長次の髪を結んでは、ほどいて、アレンジを施す度に、くのたま達から黄色い声が上がっていく。
「赤いリボン、可愛い!」
「私だったら黄色かなぁ」
「みんな、好きな色でアレンジするといいよ~」
くのたま達とキャッキャウフフと会話しているタカ丸を長次はチラリと見る。
本当に自分が知っている斉藤タカ丸なんだろうか?余りにもギャップがありすぎる。
「最後はカントリースタイル。耳の下で結ぶ型ね。これだと髪が短い子でも平気だよ~。短い子はリボンを流して華やかにしたり、髪が長い子は少し巻いても可愛いからね~」
じゃーん!と効果音がつきそうな感じで、長次の髪はゆるふわツインテール(リボン付き)の状態になっていた。
ちなみに長次の精神状態は『無』である。もう、考えてもしょうがないと諦めた。
「タカ丸先輩、すごいです!」
「他にもアレンジ出来ますか?」
「出来るよ~」
その後も色々アレンジとやらをされた長次が解放されたのは、かれこれ三時間後だった。
「ありがとう~、中在家くぅん。みんな、喜んでくれてたよ」
「
…
そうか」
タカ丸は長次の髪の毛を直し、結い上げながら礼を言う。
「僕も久々に、沢山色々な髪結いアレンジ出来たから楽しかった~。もう辻刈りしなくていいや~」
「
……
そうか」
(まだする気だったのか)
「はい。出来たよ」
「
…
む」
鏡を向けられて「大丈夫だよぉ。ちゃんと戻したから」と、タカ丸は笑うので、長次は腰掛けていた椅子から立ち上がった。
「また何かあったら宜しくねぇ」
「
…
次は生首に頼め」
ヒラヒラ手を振るタカ丸と別れた長次は、遅くなってしまったが委員会に顔を出すべく、学園へ向かった。
「あのう
…
中在家先輩。後ろ髪に【はあと】飾りのリボンが付いてますけど」
きり丸に指摘された長次が鬼の形相でタカ丸を探しに行くのだった。
……………………………………
2月2日が【ツインテールの日】と聞いて、発作的に書き上げたモノです。タカ丸さんは髪結いの事になると、ハキハキ喋りそうです。
ちなみに、ツインテには詳しくないです。ネットの受け売り(笑)
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