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ぶんどき
2026-02-03 14:45:53
1341文字
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蝶の追想
花ヶ丘 現行未通過❌
蝶視点の本編の話。
チャイムが鳴る。
視界が赤に染まる──。
*
物心ついた頃には側にててくんがいた。ててくんは、鈍くさいわたしにいつも手を差し伸べ、たすけてくれた。
幼稚園、小学校、中学校、と家族ぐるみの付き合いで、一緒に大きくなった。
ててくんは昔から大好きで、大切な人。
高校に入って、こはくちゃんと出会った。入学式の日に知り合って仲良くなったのだと、ててくんに紹介してもらった。こはくちゃんは明るくて、可愛くて、流行にも敏感で、きらきらしていて、いつもクラスの中心にいた。
わたしとててくんは、いつの間にかわたしとててくんとこはくちゃん、三人でいることが多くなった。
昼休み、放課後、学校行事。いろんなことを三人でして、いろんな場所に三人で行った。
人見知りのわたしはこれまで仲の良い女の子の友達がいなかったから、こはくちゃんに連れられてお出かけするのも、かわいいお洋服を一緒に選ぶのも、何もかもが新鮮で、楽しかった。
でも、そうじゃなかった、みたいだ。
そう思っていたのは、わたしだけで。
「
……
やちよっちは優しいね」
「そんな優しいやちよっちだから、てしゅもやちよっちを守るんだね」
こはくちゃんの憎悪のこもった目は、わたしに向いていた。
「あたしなんかよりもずっと、心が綺麗だから!」
わたしは何も知らなかったんだ。
こはくちゃんの気持ちを、何ひとつ。
……
そっか。そうだったんだ。
こはくちゃんは、ててくんのことが──
「こはくちゃんがわたしのこと嫌いでも、わたしはこはくちゃんのこと、大好きだよ
……
!」
ててくんに手を引かれながら、振り向きざまに言い放った。
これが、今のわたしに言える精一杯だった。
──殺されかけたのに。
こはくちゃんにとって、殺したいほど憎いってわかっているのに。
その理由もわかっているのに。
それなのにわたし、こはくちゃんのことまだ、大事なお友達って思ってる。あきらめたくないって思ってる。また、三人で遊びたいって思ってる。
ねえ、こはくちゃん。
こはくちゃんにとっては全部嘘だったかもしれない。ずっと楽しくなかったのかもしれない。
「ずっとずっと、あんたのこと嫌いだった!!!」
でもね、わたしは、
わたしはこはくちゃんと過ごす毎日、全部が楽しかったし、お友達になれて幸せだったよ。
*
あのおかしな空間から無事に帰ってくることができた。部長はあの人と一緒に行ってしまったけれど。
「
……
二人ともお人好しすぎ」
どこかばつが悪そうに、呆れたように、こはくちゃんは言った。
以前みたいにとはいかないかもしれない。こはくちゃんの気持ちにまた気づけないかもしれない。それでもわたしは、また、三人で一緒にいられたらって思うんだ。わたしはあきらめないよ。
だからこれからも、こはくちゃんのこと、もっと教えて。わたしの知らないこはくちゃん、きっともっとあると思うから。
次回!
「猪に恋人ができたらしい!?
デートに出かける猪を追え!
〜ここは一時休戦の鹿蝶〜」
↑猪鹿蝶の初継続がこれでありえなすぎる
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