望月 鏡翠
2026-02-02 22:44:51
1247文字
Public 日課
 

#1981 花束を持っていた人2

#毎日最低800文字のSSを書く/祝福の塔

 レンツォの言葉は尤もだったし、それはまさに鹿山も気にしていたことだった。
 子供って一日にこんなにたくさんなくなってるんだ。そう思った。
 自分の国で、一日にどれくらいの人数が命を落としているのか。日本はまあ、安全だし水も綺麗だし、福祉もあるし、そんなに多くはないんじゃねと思っているけど、具体的な人数は知らない。
 交番の前に交通事故の件数が張り出してあったりするけれど、正直気にしたことはない。
 ニュースになったことしか知らない。ニュースになっても、そんなにまめにチェックしてない。
「いや〜、そんなことはないはずなんですけど……。子供多いのはガチでそうすね。でもまぁあの子たちが幸せになって生き返れるならよかったって思いますね」
 子供ばっかり亡くなったんじゃなくて子供にもう一度生き返って人生をやり直すチャンスが優先的に与えられているだけということなのかもしれない。
 人知れず生き返っているからみんな気づいていないだけで、実は毎日このくらい子供が亡くなっているのかも。
「そうだね。まあ誰が死んだって悲劇的ではあるんだけどさ、とりわけ若い子がってのは悲しいよね。ちなみに君は……
 確かに、子供じゃないから死んでいいというわけではない。
 レンツォさんも何かの理由で亡くなってここにいるんだ。気になるような、聞いちゃ悪いような。
 チラリと見やって、彼も自分を見ていることに気がついた。
「アジア人っていうか、日本人って年齢わからないんだよな。でも、さっきの口ぶりからすると未成年ではなさそうだ」
 海外の人から見ると日本人は幼く見えるという。噂で知っているだけだ。実際に海外の人と年齢の話をしたことはない。お店で出会うくらいだからだ。
「ん、あー二十六歳です。年相応だと思うんだけどそんな感じなんすね〜」
「二十六!?」
 上か下かどちらの方向の驚きだろう。
「二十くらいかと思ってたけど、そうなんだ。なんだろう、骨格とかなのかな。ちなみに俺は二十五だよ。結構歳近かったな」
「え!?」
 まさかの年下だった。
「ほぼ同い年でしたね。へー本当にわかんないもんだな。服がちゃんとしてる感あるから年上に見えてましたね」
 ちゃんとした服なんて、袖を通したのはいつ以来だろう。大学の卒業式が最後だった気がする。
「はは、普段はこんな格好してないんだけどね。自分でもびっくりだよ。君はその服、いつものやつ?」
「え、違うんですか? でもめっちゃ似合ってます。カッコいい」
 あんな風に自分の服にできなかった。
 いつまで経っても着られている間があって、しみじみと似合わないと感じた覚えがある。
「普段のっていうかいつものですね。なんかそのまま〜て感じで来てます」
 服装って違ってることあるんだろうか。そういえば確かに、死ぬときに持ってたものそれ? みたいな人ちらほら見かけた気がするな。
 ラウンジを見回す。
 部屋を見つけたのか、いつの間にか人は半分くらいに減っていた。