はらす
2026-02-01 13:56:32
623文字
Public 忘バ
 

20251129桐智 クリスマスプレゼントを買う

2025/11/29 桐智 高校生 620字
没供養です。「クリスマスにプレゼントなんて期待してへんし」と桐島さんに煽られた智将の話を書きたかったのですが、あまり上手くいかなかったので供養です。

なんでこんなキラキラした店でプレゼントなんて買わないといけないんだろう。
クリスマスといえば、と安易に駅前のツリーが飾られた店に入ったことを、すぐに後悔した。店内のBGMは陽気なクリスマスソング。キラキラとした装飾が、目に痛い。
女子が多い。視線を感じるわけではないが、この空間に馴染んでいるとも思えない。いたたまれないことこの上ない。
「クリスマスのプレゼントなにくれるん?クリスマスっぽいものは無理かな?」
そう言って俺を煽ってきた、あの人の顔を思い浮かべる。
明らかに挑発してきてるのに、隠しきれない期待を滲ませていた。それを考えると、思わず拳を握りしめる。ここで、逃げるわけにはいかない。あの人の挑戦と期待に負けてしまうなら、消えたほうがマシだ。
どうにか金モールで飾り立てられた棚の前に立ち止まり、彼の制服に似合いそうな手袋を手に取った。
家に帰り、部屋で荷物を置くと、ようやく一息ついた。買ったものは鞄の奥底に隠してある。上の方の荷物を掻き分け、可愛い包の一片を覗くと、ちょっとだけ気持ちが上がった。俺は俺に負けず、目的を達成したんだと。
これを見た瞬間の彼の顔を想像すると、ちょっとだけ胸があたたかくなった。シンプルに笑うだろうか。なにか、愉快なことを言うだろうか。それとも、照れ隠しに冗談を言うだろうか。
早くクリスマスになればいい。子供の頃以来の気持ちに浮き立ちながら、クリスマスまでの日を指折り数えた。