三毛田
2026-01-31 21:58:58
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54 08. かすれた歌声

54日目
掠れていたのは君のせい

「あ」
 歌おうと口を開いたところで、出てきたのはかすれた声。
 何でだろうと首を傾げたけど、すぐに原因には思い至らず。
「穹。一緒に入ってもいいだろうか」
「いいよ~。あ」
「なんだ」
 その原因が入ってきて、ようやく思い出した。
『たん、こっ。も、もう無理っ。出ないからぁ』
『大丈夫だ、穹。お前ならできる。早く、お前で満たしてくれ』
 と、恍惚の表情を浮かべて俺から精を搾り取っていったのがこの丹恒。
 しなやかな肢体を惜しげもなくさらし、俺の前にやってきて。
「丹恒、体を洗ったか?」
「いや。まだだ」
「じゃあ、体を洗って来いよ」
「そうだな」
 時間を稼ぐことは出来た。が、どうしようもない。
 というか、なんで俺よりも元気なんだよ。おかしいだろ。
 しばらく丹恒と体を重ねるのは、勘弁かな。と考えているが、きっとそうもいかないだろう。
「穹。キスがしたい」
「はやっ」
 もう体を洗い、髪も洗ってきたようで。俺の前までやってきて、そうおねだり。
 可愛いなと思っていたら、吸われた。
 それはもう、勢い良く。口中の水分をすべて吸い尽くすかの如く。
「は、んんっ、ん……
 俺の顔を手で覆い、うっとりした表情で。
 このの顔エロいな。って思いと、まだ何か足りないのか? って思いと。
「きゅう……もっと……
 やっぱりまだ元気ですね!
 って叫ばなかったのを褒めて欲しい。
 これは、風呂から出て少しだけ休憩したら、また搾り取られる流れだ。
「あれだけ俺から搾り取ったのに、まだ足りないのか?」
「そう、だな。ああ、足りない。それに」
「それに?」
「いくらあっても、困らない」
 求められるのは悪くないのだが、もう少し手加減をしてほしいところである。
 応えないのは、男としてのプライドに関わるところなのだが、いかんせん体力が、さ。
 丹恒についていけないのだから、仕方ない。
 こうなった丹恒は、数日性欲魔人になる。俺とセックスしたくて仕方なくなり、二人きりになったら襲われる。
 こちらの都合なんぞ、構わないというように。
「俺が抱く方なのに……
「どうしたんだ?」
 うっとりした表情で頭を撫で、自分の胸に俺の顔を押し付けて。
 その胸にこちらから顔を押し付けて、吸い付く。
「ん。乳は出ないが、好きなだけ吸っていいぞ」
 可愛いな。という呟きに、なんかイラっとして乳首に噛みつくと
「ひゃっ」
 悲鳴を上げて俺の髪を引っ張り。
 顔を見れば、真っ赤になっていて。
「き、穹!」
「後で覚えてろよ」
 思っていたより低い声が出た。