kgsg_hirg
2026-01-31 18:20:41
1034文字
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浮気!?(声・寝起き)

ワンドロワンライ1/17分

……
優しい声が聴こえる。誰に向けてだろうか。聞き覚えのある声に安心感を感じながらもっと聴きたいと耳を傾ける。
あれ……今俺はどんな状態だっただろうか。
そもそもこれは俺に向けてだろうか、そんな疑問が頭に浮かぶ。それよりさっきなんて言っていたのだろうか。
…………綺麗……
あれ、何が。
「誰が!?」
バッと身体を起こし声の主を探す。確かに聞こえていた誰かを褒める愛しい人の声。その声の主はすぐに見つかった。
……あ? どないした」
目をぱちくりとさせてポカンとこちらを見る北さんが台所からこちらを覗いている。
「今、北さん誰に、何言うてました!?」
「誰、とは……?」
何を、といった感じで彼は頭を傾げている。寝惚けていようがもう何年も付き合いのある彼の声を間違えるはずがない。
「やって今北さん誰かのこと褒めとったやないですか!」
「ほめ……?」
見知らぬ女(仮)への怒りとほんの、ほんっっの、ちょっっっと北さんへのもやもやを抑え込めず声に出てしまった。
……まずそんなこと言う相手おらんやろ」
「そ、れは……って言いたいんすけど北さん隠すん上手いやないですかぁ!」
「上手いというよりお前が単純なんやろ」
「俺んことそう思っとるん!?」
酷い暴言だ。まさか恋人からそんな言葉を浴びせられるとは。
「じゃ、ない! さっき誰に綺麗言うとったんです!」
「綺麗……?」
怒鳴るように責めると彼の首はゆっくりと傾いていく。そして何かに気がついたのか目がぱちりと瞬いた。そして肩を震わせて笑い始めたのだ。
「な、なに笑ってんすか!」
「お前寝とったのに聞こえとったんやなって」
「や、やっぱり……
「俺の声は聞こえとったのに匂いはせんかったんか?」
「え」
匂い?
「お前寝とる間に米炊けたんや」
「米……米!」
勢いに任せて起き上がり、北さんの居る台所へ。たった数歩の距離、だからこそ北さんの声が寝惚けていても届いていた。……さすがに匂いまではと思いたかったが近づくと炊き立ての匂いが漂っている。
「ううう……これは確かに綺麗やぁ……
「ふふ、せやろ。なにせ自慢の米やからな」
おそらくは昨日持ち込んで精米したばかりの米だ。それは確かに褒めたくなる。
「さ、顔洗ってこい。こんな別嬪さんに間抜けな顔のままやと恥ずかしいで」
……もぉ~~!」
寝起きとはいえ飯より彼の声に反応してしまったのはもう、かなり深いとこまで落ちてしまったのかもしれないな。