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net20156
2026-01-29 22:20:06
3550文字
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僕のリボン(R18)
「あーやんなっちゃうね」
職員寮の自室に戻った五条は、目隠しを無造作に上げて放り出した。
海外出張から帰国したかと思うと、空港でそのまま別の任務に駆り出されることになった。
呪霊自体は1級だったが僕の手にかかればなんてことはない。ただ、数が多くて最後は茈をぶっぱなして一掃してしまった。
伊地知は顔が真っ青になっていたが、任務は果たしたんだから僕の仕事はここまで。後処理は任せて先に戻ってきた。
ベッドに重い身体を投げ出すと、古びた天井の木目が見える。
視界の端に白いものが入り込み、ふとそちらに目線を投げる。
そこにあったのは、サイドテーブルに置かれた白いリボンだった。
先週、歌姫が東京校に出張で訪れていた時、硝子のところにいると聞いて医務室に立ち寄ってみた。
しかし、そこにいたのは持ち主に忘れ去られたこのリボンだけだった。
『先輩なら仮眠取ってもう帰ったぞ』という同期の言葉に拍子抜けしたのは事実だ。彼女がいなくなった医務室のベッドは、まだ温もりが残っていた。
そのベッドの端に取り残されていたリボンをポケットに入れたのはほんの気まぐれだった。
また歌姫が来た時にこれをネタにちょっかいをかけたら面白いかな、といった程度のこと。
廊下の明かりだけに照らされた薄暗い部屋の中で、その白いリボンはまるで発光しているかのようだった。
この濁り切った呪術界で清廉さを失わない持ち主のように。
左手を伸ばしてリボンをゆるりと取ると、鼻に押し付けて匂いを嗅ぐ。
歌姫は香水の類はつけていないので香りがするはずもないのに、彼女の黒髪に顔を埋めているような、うっとりとした気分になる。
あの髪を掬い、白いうなじに唇をつけ、合わせの間に手を差し込んだらどんな感触なんだろうか。
学生時代からたまに夢想していた、そんな光景が頭をよぎる。
目を瞑って思い切り息を吸い込むと、鼻腔と疲労した身体に彼女の匂いが染み渡る。
次第に、下腹部に重い感覚が集まってくるのにも気づいていた。
(最近、抜いてなかったもんなー
…
)
二週間の海外出張に続けざまの任務。
そういえば以前、歌姫に直接会ったのはいつだったろうか。
あの心地よい声を聴きたくて出張先から電話をしてみたが、『用がないなら電話してくんじゃねーわよ』とすぐ切られてしまった。でも切る前に、『あんま無理すんじゃないわよ』と一言残すのが歌姫らしい。
その時の彼女の顔を想像しながら、横たわったままベルトのバックルを片手で外し、チャックを下げる。
その奥の、最近は出番のなかった陰茎はすでに雁首をもたげ始めていた。ボクサーパンツをずらすと、むくりと竿が飛び出す。
左手で白いリボンを鼻腔に押し付けて吸い込みながら、右手の掌で陰茎を根元からゆるゆると扱く。
「
……
っ、ふっ
……
」
久しぶりの感覚に、腰からせりあがる甘い痺れが心地よい。
脳裏に浮かぶのはこのリボンの持ち主だけだ。
医務室のベッドに横たわっていたであろう歌姫。眠る前にあの細い指でリボンをほどき、枕元に置いたに違いない。
学生時代におさげにしていたのをからかったらいつの間にかハーフアップになっていて、その少し大人びた様に心臓が高鳴ったのは今でも覚えている。
黒い制服やスーツが多い校内で、あの白と緋はいつでも僕の意識を捉える。ふわりと揺れるこのリボンと黒い髪に、自然と目が惹きつけられてしまう。
そして声をかけると、決まってふりむく彼女の表情が
―――
「
…
っうぁ
…
っ!」
右手の動きが速まる。
学生時代から数えきれないほど妄想した、歌姫のあられもない姿。
着物の合わせをはだけ、柔い乳房をこぼし、恥ずかしそうに足を開いてその中心で僕を待ち構える。
たまらず、口元に当てていたリボンを股間に押し付ける。
自分の掌とは違う、少しざらついた布地の感触。膨張してはち切れそうな陰茎を包み、上下に思い切り擦りあげる。リボンが裏筋を刺激し、喉が鳴るような快感がこみ上げる。
まるで歌姫に包まれているような感覚に、堪えきれず呻きが零れる。
「っくぅ
…
、
…
ぁっ
…
」
亀頭から溢れる体液に濡れ、布地の動きが滑らかになっていく。
摩擦で熱くなったそれは、まるで歌姫の胎内に包まれているような感覚で、目を瞑ると彼女の姿と甘い声すら浮かんでくる。
「
…
っぁ、うたひめ、うたひめぇ
…
っ!!」
割り開いた白い太腿の中心に、彼女の熱い最奥に、何度も突き込む。
歌姫は涙目でこちらを見上げ、艶やかな唇からは絶え間なく嬌声を溢れさせて、もっと、もっととねだるように腰を振る。
それに合わせて何度も激しく突き上げる。気持ちよすぎて、意識が飛びそうで、喘ぐ彼女と一緒に
―――
「
―――
っぉ
…
っ
……
」
思いきり扱き上げた瞬間、奥から大量の精がどぴゅ~~っ!びゅるるっ、びゅくっ!!と飛び出した。
大量の白濁が掌の中のリボンを濡らしてゆく。痙攣したように震える腰は、ベッドから何度も浮いてしまう。
わずかに残った力でもう一度強く握ると、どぷっ
…
と先端から最後の精が溢れ出した。
歌姫の中に出せなかったそれを、名残惜し気にゆっくりとリボンをで掬い上げる。
(
……
すっげ
……
)
ぼんやりと薄目を開けると、そこに先程まで喘いでいたリボンの持ち主はおらず、相変わらずの古びた木目の天井だけが映る。
先程まできちんと折りたたまれて鎮座していた美しい布は、白濁にまみれてぐちゃぐちゃに乱れていた。
その姿に、またごくりと唾を飲む。
束の間の甘い夢が終わり、五条の荒い息だけが暗い部屋に響いていた。
***
「うったひめ~、またこっち来てんの?暇なの?」
「うっせーわ!!」
予想通りの反応に、つい口が緩んでしまう。
任務後に東京校に帰って廊下を歩いていると、その視線の先に緋の袴を捕らえた。思わず歩幅が開いてしまったのも仕方のないことだ。小さめのスーツケースを持っているので今来たばかりなのだろうか。
「ったく、あんたがいないって聞いたから早い時間に来たのに
…
」
「僕の任務が夜までかかるわけないでしょー」
「こうやって!絡まれるから会いたくなかったんだよ!」
苦虫を嚙み潰したような顔が面白い。元は美人なんだから笑ってればいーのに。
「あ、でもこれ」
「?」
歌姫が手元のスーツケースにかけた紙袋から取り出したのは、生八つ橋の箱だった。何のことか心当たりがなく、首をかしげてしまう。
「あんたこないだ、うちの生徒に愚痴ってたでしょ。京都に来たのに冬限定の八つ橋売り切れだ
―
って」
「ああ」
もう一ヶ月は前だろうか。京都方面の出張で別件の任務とかちあって、ついでに祓除したことあったな。
2級相当のはずが、任務中に1級に変態したとかなんとか。
「あの時はうちの生徒を助けてくれたそうだから、まあ受けんなさいよ」
「この八つ橋、チョコ入りだけどバレンタイン?」
「ちげーわ生徒が世話になった礼だっつってんでしょ」
それでもわざわざ買ってきてくれたのが律儀な歌姫らしい。思わず口が緩んでしまい、突き出された土産箱をありがたく受け取る。
「じゃあ僕もこれ」
歌姫の目の前に、ポケットに入れて持ち歩いていた白いリボンを取り出す。
「あ!これなんであんたが持ってんのよ」
「歌姫がこないだ医務室のベッドに忘れてったんだよ。寝ぼけてた?」
「あそこだったの
……
探しても見つからなくて困ってたのよ。ありがと」
「どういたしまして」
歌姫から素直に礼を言われるのはいつぶりだろうか。ちょっと悔しそうな顔が面白くて、またからかいたくなる。
「せっかくだからつけたげるよ」
「え、いいわよ」
「探してたんでしょ」
「いやここ廊下
……
」
リボンを取ろうとする歌姫の肩を掴んで、反対側を向かせる。
耳の上から黒髪を軽く掬うと、肩が小さく震えた。髪の間から見える白い肌に視線が吸い寄せられてしまうが、そのまま艶やかな黒髪を束ね、白いリボンでくるんできゅ、と結ぶ。
僕を締め上げたこの布で。
「
―――
できた?」
「おっけ!」
ぽん、と背中を叩くと歌姫が一歩離れて振り向いた。
「なんかあんたが丁寧だと気持ち悪いんだけど
…
」
「かわいい後輩になんてこと言うんですか歌姫センパイ~」
「敬語使えばいいってもんじゃねーぞ!」
また眉を吊り上げた歌姫の顔を楽しみながら、足元のスーツケースを奪って先を歩く。
後ろから追いかけて来る彼女の声が心地いい。
僕に返されたリボンを見て、たまには僕のことを思い出せばいい。
僕で染まった歌姫のリボンをさ。
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