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ortensia
2026-01-29 00:29:58
1149文字
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傭リ
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謎時空でいつもより(当社比)サイコパスリの傭リ。
溶鉄のマルフーシャっていう美少女ミリタリ激鬱マルチバッドエンディングゲーがありまして…敵国はこっちの兵士を材料にするらしくて…しかも素材は培養して複数の材料にするたしくて…。キャラ名が有動物宇宙船の搭乗動物の名前なのも凄いセンスで…。
こちらの肌を撫でて来る手は滑るように柔らかだ。今はまだ。
抵抗もせずされるがままなのは、自分こそがこの手を求めているからだ。とても拒めやしない。でも自分から安易に手を出すことも出来ない。
恐ろしくて。
自分の体を好き勝手触る手が、いつ爪を立てるかわからない。しかもその爪は嘘みたいに鋭い。傷付けられることは決して本意ではないにも関わらず、そうならないのなら求めてやまない手なのだ。こんなに恐ろしいことがあるものか。
だからいくらこの男のそばに居たくとも、そこで喜びに身を委ねることは出来ない。常に緊張と興奮が付き纏う。精神が二つにわかれてここにある。
「どうしておまえは一つしか居ないのでしょう。」
この身をその腕に抱きながら、心底残念そうに、あるいは不思議そうに男が言う。こういう時だ、ぴんと緊張が張り詰める感覚になるのは。この男の気が何か変わって、何か仕出かすのではないかと。
「おまえをばらばらにして、その一つ一つから足りない全身を補完すれば、ばらばらにした分だけ、おまえを増やせるのではないでしょうか。」
なんてことを言い出すんだ。精神が二つどころか、身体をもっと増やすだの言い出したぞ。
「
……
おまえが一人なんだから、おれも一人で良いだろ。」
「ええ?わたしが一人なのが、なんの関係があるんです?わたしはおまえが沢山欲しいと言っているんですよ?」
さもこちらが可笑しなことを言っているというふうに言い返される。だから恐ろしいのだ。
「おれにおれ同士でおまえを取り合えとでも?」
「そんなことしないでくださいよ。」
男は本当に可笑しそうに、くすくすと花を揺らしたように笑う。
「確かに沢山のおまえに仕立てますが、それぞれ少しずつ変えるんです。傭兵のおまえ、ぼろぼろのおまえ、暗殺者のおまえ、戦争後遺症のおまえ、孤児のおまえ、犬のおまえ、猫のおまえ、鳥のおまえ、魚のおまえ、狼のおまえ、吸血鬼のおまえ、探偵のおまえ、飛行士のおまえ、幼いおまえ、旅人のおまえ、それから、それから。」
指折り数える男は実に楽しそうだ。それが実に恐ろしい。
その指が、その爪が、こちらを細切れにする前に、その手を上から押さえ込むように握る。
「それでも、おれは、自分一人だけで、おまえを堪能したい。」
男は小首を傾げてこちらをじっと見下ろす。見詰められることは吝かではない。視線を独占出来るのは、そうしたいという欲を満たす。しかし今は緊張が上回る。
男は何も言わなかったが、結局その爪に体を裂かれることはなかった。満足に出来ていなかった呼吸を、ゆっくりと再開する。
やっぱり一番恐ろしいのは、そんなに楽しげに指折り数えるのなら、そうなってしまってもいいと思ってしまう、自分自身だ。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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