ne🌟
2026-01-28 08:43:57
1313文字
Public 高諸
 

4)宛先が書いてない手紙

# いいねされた数だけ書く予定のない小説の一部を書く

高諸(高 ←  尊)

全然高諸してない



こうさかじんないざえもん

もろいずみ ====
(墨が滲んでいて読むことができない)


***

じんにいさまへ

ざっとさまが おきれるように なってから
よみかきを おしえてくださるように なりました

さいしょにじんにいさまと じぶんのまなえを かけるようなりました
いつかじんにいさまへ おてがみがかけるとうれしいです

***

じんにいさまへ

ざっとさまは もうすぐ、きのうかいふくくんれんを はじめるそうです。

そしたらよみかきだけめはなく しゅりけんのなげかたも 教えてくださるとやくそくしてくれました。
でもほんとうは、にんじゅつはじんにいさまにならいたかったです。
あしたからかんじをならいます。


***
陣にいさまへ

かんじがすこしだけ かけるようになりました。
まだみんなのなまえくらいしか おぼえてないけど、はやくほかのじもおぼえます。

雑渡さまはとおくから しゅりけんを なげれるくらい げんきになりました。
わたしはまだ まとにすらささりません

ほんとうにしのびになれるのかなぁ

***

陣兄様へ

今日やっと、手りけんが的の真ん中にささりました!次は十本なげて十本的に命中させます。

雑渡様もすっごく元気になりました。もう、私が支えるひつようはないほどに。
きっとすぐにでも忍軍にふっきされると思います。

私はどうなるかわかりません。
できれば陣兄様のこうはいとして、おおかみ隊に入隊できたら、嬉しいのです。

***

高坂様へ

忍軍に入ったら上下関係が厳しいと聞いたので、いざという時に呼び間違えないように、今から苗字を呼ぶ練習をしています。

雑渡様は来月狼隊に復帰されるそうです。あなたの耳にも入っているでしょうか?
最近は山本様がいらしてくれて、高坂様のご様子を聞かせてくれます。
それがとても嬉しいです。

高坂様は、まだ、雑渡様の見舞いに来た時、追い返した事を、怒っているでしょうか?

***

高坂様へ

いよいよ明日、この庵から里へ帰ることとなりました。気づけばもう三年も経っていたんですね。

ここを出られることは嬉しいけど、あなたに会うのは少し怖いです。私はこの三年、何も成長してないから。

これから狼隊に入るために頑張って鍛錬を積みます。
どうか、無事に忍軍に入れたらあなたに後輩と認められますように。

***

「と、まぁ、こういうことで、ひっさびさにあの庵に行ってみたら、ちっちゃい箱の中にこれが入ってたんだよね」

雑渡に呼ばれて渡された箱の中には、大小様々な古ぼけた紙が入ってた。
墨が滲み、下手クソで読みにくい箇所もあったが、なんとか読み解くとそれは全て高坂に向けられた手紙だった。
だが、読ませるつもりはなかったのだろう。
封筒に入れることも持ち帰ることもせず、誰も寄り付かなくなった庵の、尊奈門が寝るために作られた小部屋の片隅にあったというのだから。

いつも笑顔が絶えなかった子どもの、本音が書かれた手紙。
これを読まなければ、悩みのなさそうな笑顔の裏に未来に不安を抱いていたなど、高坂は知ることもなかった。