三毛田
2026-01-27 21:22:02
1065文字
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50 04. 暗がりに目を凝らす

50日目
と君がいる

 目を開けると、見慣れた天井。完全に真っ暗なわけじゃなく、常夜灯がラック周辺で灯されている。
 寂しさを覚え。
「丹恒」
 名前を呼んでみる。その声はかすれていて、そういえば熱があって丹恒に世話をされていたのを思い出した。
「起きたか。熱はどうだ? 汗はかいていないか? 起きたのなら、軽くうがいをしてこい。戻ってきたら、お前が気に入った蜂蜜湯を飲め」
 俺の額や首に触れながら、優しい表情。
 いると思ってなくて、思わずキョトンと彼を見る。
「なん、で……
「何でと言われたら、病人を放っておけるわけがないから。が答えだ。他の人よりも丈夫だし、必要なものを持ってきてあるから、すぐに薬も煎じることも可能だ」
 俺に触れる彼の手は冷たく、すごく心地よい。
「暗いから電気をつけるぞ」
「うん」
 電気がつくと眩しい。目を細めながらベッドを下り、彼の言う通りにうがいをしてきて、ついでにトイレも済ませても戻ってきて。
 差し出されたカップの飲み物をゆっくり飲んでいく。
 とろみがついていて、とても飲みやすい。
「喉がやられていたみたいだから、ちょうどいいだろう」
「うん。それに、お粥も美味しかった」
「後でパムに礼を言えばいい。俺は、ただ食べさせただけだからな」
 カップを返し、首を横に振る。
「丹恒が、食べさせてくれたから全部食べられたんだ」
……そうか」
 これは、照れてる? 珍しいなぁ。
「それで、風邪を貰った来たのは何処だか覚えているか?」
「昨日まで、何か所も行ったからなぁ。覚えてないや」
「そうか。ただ、完治するまでは無理に依頼を受ける必要はない。俺たちが、手分けして依頼を受ける」
「いいのか?」
 問いかけると、頷いて。みんなに負担をかけるようで心苦しい。
「ああ。協力してこそだろう」
 また優しく微笑んで、俺の頬を撫でてくれる。
「そう言ってもらえると、俺も心が軽くなるな」
 だから、丹恒が好きだ。
 俺が欲しい言葉を、くれるから。なんて単純な思考。
 でも、それでも俺を受け入れてくれるという妙な確信が。
「お粥以外を食べられるようになったら、共に依頼に行こう」
「お願いします」
 頭を下げたら、優しく撫でられ。そしてそのまま寝かしつけられた。
 ずっと寝ていたから眠くないだろうと思っていたのに、気づけば眠ってしまい。
……
「不満そうだな」
「丹恒にお世話されるのは好きだけど、なんとなく納得いかない」
 熱が下がったと思ったのに、また熱が出てベッドの住人に逆戻りしたのだった。