第二章 プロローグ


プロローグ

???「はぁ!はぁ!遂に追い詰めましたよ、総統さん!!」

総統「……

???「私の命と引き替えにしてでも、貴方の鎧だけでも剥がしてみせる!」

総統「……

???「覚悟してください!!」

(銃を持つ、???)

総統「……だめだよ。それじゃあ。
それだと、君が」

「ーー君が、死ぬじゃないか」










(ジリリリリ!!)

はっ!と私は目が覚めた。
どうやら、深い夢を見ていた気がする。

「あれは、夢ーーですよね?」

(夢じゃ、なかったら、私は……


無翼の堕天使
ぜクルス・クロスハート
Zecratꜱ Crossheart


私の名前はぜクルス・クロスハート。
元々記憶を失い彷徨っていた身寄りの無い私を有限会社OICが色々と見繕ってくれたので、今は会社のアパートで暮らしています。

私に記憶が無いので、どうやってこのキョコウ世界に来たかもわからないのですが、社長さん曰く「戦闘のセンスはピカイチ」とのこと。
謎のセンスを活かして、私はOICのエージェントとして活動中です。

本日の依頼は、制圧だとか。
制圧かぁ〜、私としては護衛の方が向いているのですが、これも生きていく為、仕方ないのですよね……

「マヤさんはどう思います?」

「なんで俺に聞くんだよ」

マヤさん。
マヤ・アラヤシキさんは私の先輩で、私を見つけてくれた人の一人でもあります。
エージェントとしては大先輩だけど、普段は対等に接してくださっています。

「あ、わりい。タバコ吸ってもいいか?」
「大丈夫ですよ」

マヤさんは携帯式タバコからタバコを一本取り出し、火をつけて吸い始めました。
このクールな所がマヤさんの強みなのでしょうか?
吸っているタバコも、実は仕事用のものだとかでそこまで臭いを感じません。


「お前にも任務が来たのか」

「はい、制圧の任務でして……

私は、初めての任務が制圧だということに関して不満を抱いてるわけではなく、何故かそういった仕事に対して恐怖感を感じていないことに違和感を覚えていた。

まるで、体がそれを覚えているかのよう。

きっと、記憶を失う前からこういう仕事を受けていたのか、普通の人が感じる恐ろしさや武器を持つ感覚など、それらに慣れている感じがある。

まさかな〜と、私は適当にはぶらかした。
心に、小さな硝子が刺さったような、気持ちだ。

「じゃ、頑張れよ」

「はい!」

マヤさんが応援の言葉を送ってくれた。
それだけで、私は……

◆◆◆


「じゃあ、説明しよう★」

OICのパトロンであるゼーレンシュタイン財閥のリーダー、ルチアさんが私の前で長々と説明する。

「最近キョコウ世界に謎の宗教団体が現れ、暗躍を始めている。
入信者が増える前に、拠点を制圧、または組織の崩壊を検討させる。OK?」

「はい」

「はあ〜っ☆、そんな顔しないでよ〜、私まで萎えてくるよ〜★」

「内容はわかりました。 けど……

「ん?どうしたの?」

「この作戦、本当に私がしても良いのでしょうか……

ルチアの隣にいた真っ黒(な姿の)社長がフォローを始めた。

「この仕事はねぇ、君でないとだめなんだよ」

「その理由は?」

「ヒミツ♡」

私の前でルチアさんと社長が仲良くニマニマしている。
それについては言及しなかったが、同時に不安と欺瞞を覚えていた。

「諦めな、社長とルチアはそういう奴なんだよ」

「マ、マヤさ〜ん!!」

しょぼんとする私を無視して、ルチアさんが今回の臨戦武装について解説を始めた。

「この臨戦武装は「クラウンシステム」という思考ジェネレーターを使用して君の戦力をバックアップ、今回は特別に僕の「LTC」も何枚か入れてあるからね、ピンチのときに使ってね」

「でも、LTCはお高いんでしょう?」

「まあね★ 使わなくても君の戦闘センスなら余裕っしょ★」

……そんなものなんですかね〜?」

「あとは視察をして予め弾道予測データ、ハングアップまでの時間を配慮したエコなバースト仕様、制圧戦に使用できるマイクロナノマシン弾等の次元装備も入れてあるからね★」

……なんか、大事(おおごと)になりそうな気がする」

そもそも、次元装備とは??
まだまだわからないことだらけですが、それだけ支援が豊富なら、大丈夫そうだと思いつつ。


私はそれらの装備と共に制圧に向かうのだった。