三毛田
2026-01-25 22:07:45
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48 02. 色の欠けた夢

48日目
そこでも、お前のことはわかる

 ここは何処だろうか。
 見たこともない場所。来たことのない場所。
 まあ、世界は広いから、知らない星の方が多いだろう。
「それなら、お前は」
 誰だ。と問いかける声はかすれて。
 色のない、よくわからないこの場所で。どうしてだか、その人の色彩だけはわかってしまう。
 きっと、俺と同じ色。
「あんたは……何を望むの」
「何に対して?」
「全て。愛、恋、旅、仲間、好物、祈り。それから、あんたの、大切なもの」
「何を、か」
 全て。って、色々と壮大だ。
「世界には……正しくあるように。とは言わない。でも、星に住む人々が、小さな幸せを感じられる日が多くあるように。そんな、偽善者みたいな願い」
……そう」
 俺の答えに満足したのかどうかは知らないけど、淡々とした答え。
「そろそろ目覚める時間」
 色のない世界は、そのまま。その人は、俺の肩をトンッと押す。
 あ、落ちる。
「って」
 浮遊感を感じて落ちると思っていたら、本当に落ちた。
 ベッドから。
「おはよう、穹。すごい音がしたが、怪我はないか」
「おー……おはよう、丹恒」
 床に体を全部落としてから立ち上がり、丹恒の元へ。
 どうやら、俺よりも早く起きた彼は朝風呂を済ませたようだ。
「まだ髪の毛濡れてる。珍しい」
 俺が言いながら髪に触れると、雲吟の術ですぐに乾かしてしまう。もったいない。
「夢を見たんだ」
 パムが持って来てくれたご飯を二人で食べながら、なぜベッドから落ちたのかを説明。
「夢か」
「うん」
「夢とは、脳が記憶の整理をするために見せるものだと思ったんだが」
 そうなんだよな。丹恒の言う通りだと俺も思っていた。
「色の欠けた、モノクロな夢でさ。俺の望みは何だって問いかけられてさ」
……お前はそれに何と答えたんだ」
「んー。ナイショ」
 って告げたら、納得のいってない表情。
 だって、恥ずかしいじゃん。俺の偽善者みたいな願いを彼に告げるのは。
「いつか教えるから、今は勘弁してください」
「本当だな?」
「そういう嘘、つくと思うか?」
「時と場合によるな」
「え~」
 不満です。という声を出せば、小さく笑いを浮かべて。
「分かった。深くは追及しないでおこう」
 今は。と、付け加え。
 本当お願いします。
「例え色が欠けた夢の中でも、丹恒のことだけはすぐにわかる自信があるよ」
「そうか」
 照れたのか、それを誤魔化すようにスープを飲む。
 うーん。可愛い。
 ま、そういう感情を抱くのは、彼に対してだろう。
 俺の本当の願いは、望みは。
 丹恒が幸せであることが第一。