幸希(ユキ)
2026-01-25 17:03:54
833文字
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もう少しだけ

みっじかい。むっちゃん視点。
この間の寝坊寸前事件の詳細。

(いかん。まっこといかん。)



早朝とも言える時間。主のかけたアラームの音で目が覚める。朝の当番がある言いよったき、起こいてやらにゃ。
そう思って声をかけたまでは良かった。

「主、起きや。」
「ん……

まどろみながらも目をうっすら開ける主。まだ眠そうじゃ。

「当番言いよったろう。アラームも鳴りゆうきに。」
「んぅ
「!?」

ころん、と転がったかと思えばするりと腰に主の腕が巻きつく。流れるように頬が腿に寄せられて思わず心臓が飛び跳ねた。

「あ、主!?」
「ん……

うっすら開いた筈の目が再び閉じる。いかんいかん、二度寝してしまう。

「主、早番言いよったろう?起きや?の?」
「んん……

巻きつく腕に力が入り、主の身体がより一層寄せられる。

(いかんいかんいかん!!)

いろんな意味でいかん。勘弁しとうせほんまに。

「んー

変わらず鳴り続けるアラームを手探りで止める。そがな事する暇があったら起きんかえ。遅刻してしまう。

「主!」

ゆさゆさと揺すって起こそうとする。おまさんこがに寝起き悪うなかったじゃろ!?

……。」

すぅすぅ寝息を立てて眠りの世界に落ちたままの彼女に途方に暮れる。

「ふふ
「!」

ふにゃ、と薄く微笑んだ主。夢と現との間で揺蕩いながらも、腰に回る腕は緩まる気配がない。甘えるようにすり寄る姿に、惜しい気持ちが湧いた。

(あと……)

あと少しだけ。もう少しだけ、この時間を。寝ぼけていたとしても、愛しい人の子が甘えてくれたのだから。

(怒られるじゃろうな。けんど起きん主も悪いき。)

心の中で言い訳を並べながら眠る主の頭を撫でた。10分もすれば起きる最終リミットがくる。それを過ぎると遅刻になってしまう。せめてその時間まで、と主の額に口づけを落とすのだった。











「何で起こさなかったのーー!!」と案の定10分後に怒られたが、反省はすれど後悔はなかった。