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ぽふむん
2026-01-24 22:10:39
1795文字
Public
ワンドロ
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氷の輪舞曲
#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「手解き」「暗がり」「副作用」
氷柱if
ただ二人に輪舞曲を踊らせたかっただけとも言います。
ちなみに、このモブ外国人は黄禍論と言う当時西洋人の間で沸き起こっていたムーブに基づいてマウント取ったついでに、しのぶちゃんをサラッと貶したんです。
最後ちらっといるのはもちろん……です。
男らしい大きな手がしのぶの腰を抱き寄せる。
周りでは、管楽器や弦楽器が軽快に鳴り響いていた。
「あちらでは、仮面をつけた男女がどこの誰だか分からない者と一夜の
逢瀬
ワンナイトラブ
を楽しむ宴があるそうだ。実際には体格やら何やらでどこの誰かはわかっているらしいがね。これも蛮習だと思うんだけどねぇ」
小声で、今宵のダンスパートナーは囁いた。
しのぶの小柄な体に合わせ、膝を少し緩めている。
それでも滑稽な仕草にならないのは大したものだ。
しのぶも相手の大柄な体躯に合わせピンと背筋を伸ばし、胸を張り堂々と踊る。
二人の身長差は実に一尺はある。
というのに 、それを感じさせない見事な
円舞曲
ワルツ
だ。
この宴の参加者は、思わずこの光景に目を奪われていた。
「ふふふ
……
大したものだね。わずか三日の手解きでここまで完璧に踊ってくれるとは、思った以上だ」
今宵の共同任務の相手、氷柱 万世童磨のいつものすかした含み笑いをしのぶは無視した。
いや、無視しているのではない。
返事をする余裕がないのだ。
童磨の足を踏まないように。
失敗して恥をかかせないよう必死なのだ。
ハイヒールにロングドレスも着慣れない。
裾を踏まないようにするのも気を使う。
一曲終わったらしい。
しのぶは安堵の吐息を吐いた。
「ああ、疲れたね。少し休むとしよう」
童磨は軽くしのぶの手を取り、壁沿いに
随伴
エスコート
した。
「はぁ
……
はぁ
……
あなたが舞を嗜むのは存じ上げていましたが、こんな洋風な物まで嗜むとはお見逸れしました」
弾む息を整えようとするしのぶに、童磨はジュースを差し出した。
「一応うちは爵位あるからね。華族の嗜みとして仕込まれたんだ」
「華族でも踊れない方も多いと聞きますが?」
しのぶは差し出されたグラスを手に取ると、軽く口に液体を流し込んだ。
冷たく甘い液体が喉に心地よい。
本当は一気に流し込みたい。
そのくらい疲れていた。
その衝動を抑えたのも、人選の理由も知っているからだ。
任務の趣旨がわかっていたからだ。
その時、小さく拍手をしながら一人の異国人紳士が歩み寄って来た。
何か話しかけてくるが、何を言っているか聞き取れない。
異国の言葉だから。
かろうじて、童磨の名を呼んだのは聞き取れた。
何を言って居るのか分からないが、何となくあまりいい事ではないことは分かる。
お互い顔は笑っている。
でも、なんだか嫌な空気だ。
おそらくこの異国人は賛辞を贈っている振りで、何か
嫌味を言って
マウントをとって
いるのだろう。
言葉が聞き取れる周囲の者の顔が徐々に引きつって来ているからだ。
それでも、童磨は流石なものと言うべきだろう。
いつもの愛想笑いで受け答えをしていた。
その時だ。しのぶの背に添えられていた童磨の手に、微妙に力が込められた。
珍しい
童磨が怒ったようだ。
顔は笑っているが
…
何を言ったのだろうか。
次の瞬間だ
「oh......のぉおおおお」
突然その異国人のズボンが足首まで落ちた。
パンツが丸見えだ
童磨に笑いながら何かを言われ、その男はそそくさとズボンを引き上げながら会場奥の暗がりに引っ込んで行った。
「あはは、若いくせに太りすぎなんだ。ボタンが弾け飛んだんだろうよ」
そう言って童磨は笑っているが、嘘をつけとしのぶだけは思った。
お前がズボンをその右手に持った扇で切ったんだろう。
そんな思いを口に出さず、目線だけで訴えた。
童磨は、ただ「なんだい?」と言うように微笑み返してきただけだった。
でも、微かに聞こえた童磨のつぶやき
(しのぶちゃんの悪口言うやつは許さないよ)
なるほど。何か悪口を言われていたようだ。
あの男に取って、ここが衆目が集まった場所だったのが幸いだったらしい。
笑顔だが、この声音はヤバいやつだ。
人目さえなければ、あの男は半殺しだっただろう。
何を言われたかは知らないが。
ぎゃぁあああ
悲鳴が聞こえた。
「あぁ
……
あいつ、鬼にでも襲われたかな?大丈夫、あっちには弟分と妹分を潜ませていた」
大変だ。押し込み強盗だ!という叫び声が聞こえた。
童磨の継子の兄妹が鬼を始末したようだ。
この男は鬼を目撃したようだが、記憶を失う薬でも打っておくとしよう。
副作用で、しばらく発語できないがまぁいいだろう
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