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ortensia
2026-01-24 00:27:55
1060文字
Public
傭リ
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荘園時空共同居館傭リ(呪文か?)
それはたまたま、思ったよりお菓子を作り過ぎてしまったからだった。
「食べます?」
お菓子を渡すお相手の女性陣はこんな荘園にも、愉快なことにそれなりにいたが、その時は誰もが都合がつかなかった。というより、余りにもこちらが差し上げてしまうものだから、美容を気にして、とうとう受け付けて貰えなくなってしまったのだ実は。こちらとしては、ふくよかな女性は歓迎なのだが。
それに対して目の前の小男は碌な食事も知らなさそうだし、どちらかというと発育不全で栄養がない状態で育っていそう。今も肥えているとは言い難い。
「食う。」
世界の全てを睨み付けているような目が一変。こちらとしては、軍人だろうが眼光が鋭かろうが、態度の悪い野蛮人にしか見えないので、別に顔色を明るくされたところで、どうということはないのだが。もっと効果的な相手に愛想良くすれば良い。
そうしてなんの気無しに、傭兵に餌付けしてしまったのがいけなかった。
どうやらこちらの姿が目に入るよと、わざわざ寄って来るようになったらしい。最初は気付かなかった。何せ挨拶するだけで、特に会話を持ち掛けられるわけではない。ただ、その挨拶を済ませて去って行くこともない。
道化師に腰巾着と言われて初めて気付いた。だってあんなの眼中に無い。小さいし。
「
……
わたしはおやつを持っていることの方が少ないです。」
だからよくよく思い出して、このちびがこうなったのは、あの日あの時お菓子をあげてしまったからではと思い至った。だから見下ろしてそう切り出したのだが、傭兵は首を傾げて、逆にキャンディを取り出した。いやこちらが催促しているわけではなく。というよりこの食い意地の張った男が、食べ物を譲ったりするのか。
「おまえこそ、わたしにお菓子をたかっているのではないのですか?」
「いや?そりゃくれるんなら貰うが。」
なんだか話が噛み合っていない。そもそも、こんな男と自分が、話題を合わせるなんてこと、出来る筈も無いと高を括っていたが。
「でもおまえあの時。」
「確かにそれはきっかけだった。おれはおまえが、おれなんかにものを遣る奴だとは思ってなかったから。」
「
……
だから?」
「それにおまえは、おれがそばに居ても何も言わなかっただろう。」
今こうして物申しているのだが。
「だからおまえのそばは居心地良いよ、甘い匂いもするし。ずっとおまえのそばに居るからな。」
そんな。
軽い気持ちで餌付けしたのは確かだが、それでも与えたのはお菓子であって、この身ではないのだが。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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