ortensia
2026-01-23 14:59:12
454文字
Public 傭リ
 

傭リ。


 月下老人の足縛りの話は兎も角。
「運命の赤い糸って知ってます?」
「知らん。弱そう。」
「緊縛ようではないので。」
 リッパーは話をかいつまんで説明した。話を聞いた傭兵は、それでも納得いかなさそうな顔をした。
「やっぱ糸じゃ弱いだろ。」
 寧ろ話す前より眉間の皺は悪化している。
 対して移り気なリッパーは、そんな話をしても、そんなことはその日のうちに忘れてしまった。
 しかし次の朝。
「なにこれ。」
 マイペースな遅い目覚めで起き上がったリッパーは、自分の左手が真っ赤な縄に縛られていることに気付いた。
「登山用ロープ?」
 頑丈だが太過ぎて抜けてしまうということもない、しっかりと縛られた赤い筋の先は、別に何処に繋がっているわけでもない。そのことをリッパーはつまらなく感じた。
 誰の仕業かは分かっている。
「やっぱ糸じゃ弱いだろ。」
 朝の挨拶をして、本題にかかる。
「おまえに繋がっているわけでもないのに?」
「繋がってたら、不便だろ?」
 やはりリッパーは、つまらないなと思って、笑った。


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