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やまだ
2026-01-20 17:29:12
1091文字
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羅小黑戦記
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2020.12.18 寒い日の師弟
「冷えてきたな。雪になるかもしれない」
街からの帰路ですっかりかじかんでしまった手が痛い。赤い指先を見つめていたシャオヘイをムゲンはかるがる抱きあげて、あたたかい火の前に椅子を置いた。
大きな手でシャオヘイの指先を包んでくれながらの呟きは、薪の爆ぜる音と混じりあって眠気を誘う。
人間の街の賑やかさも、シャオヘイは決して嫌いではない。
それでもやはり、こうして山深い場所で土と木の香りに包まれながら過ごす穏やかな時間のほうが好きだ。
ムゲンもきっとそうなのだろうと思う。ムゲンは人間だけれど、特に用事がないと少し距離があってもシャオヘイを連れて郊外の家屋まで移動することが多い。
いつ、どこへ行っても綺麗にしてあるから、館の管理する建物なのかもしれない。
「雪
……
」
かゆいような連れるような指を、ムゲンの手のひらのあいだでもぞもぞしてみる。
「シャオヘイ、痛みは?」
「ううん。でも、かゆいかも」
「もう少し我慢して」
「ん」
ムゲンの膝の上で少し姿勢を変え、胸に寄りかかった。ことんことんと心地よい鼓動が聞こえる。
「凍傷にはなっていないが
……
手袋をして行けばよかったな」
「凍傷? ずっとぼくの手触ってるけど、師匠は平気? 冷たくないの?」
「ああ。私は大丈夫だ」
ふうん、と呟いてムゲンに体重を預ける。
火がぱちぱちお喋りをして、耳にはムゲンの心音がとことこ伝わってきて、家の外では風がぴゅうぴゅう鳴っている。木々のざわめきはいつかに飽きるほど聞いた波音を思い出させた。
雪は、どんな音がするのだろう。
「師匠」
「ん?」
「ぼく、雪って見たことない」
下から見上げるムゲンの、静かに凪いでいた表情が少し動いた。おやっという顔がシャオヘイを見下ろす。
「
……
そうなのか?」
「うん。
……
あの、あのね、雪になったら、ぼく師匠と一緒に見てみたい。だめ?」
この寒さで凍えているようなシャオヘイでは、実際雪になったときには震えて丸くなるしかできないのかもしれない。けれど、隣にムゲンがいてくれたら、シャオヘイは寒さなんて気にならない。今だって毛が逆立ちそうに寒い帰り道でも平気だった。
ムゲンの側は居心地がいいのだ。あんなにかじかんでいた指がぽかぽかするくらい、あたたかいのだ。だから雪がどんなに冷たくたってきっと平気だ。
「だめじゃないさ。ただし、暖かくすること」
「やった! 楽しみだなあ」
早く雪が降ればいい。微笑むムゲンの手を握りしめられるほど回復した指から耳の先まで、わくわくするシャオヘイの全身はもうすっかりあたたまっている。
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